クロウミガメを放流するカレッタの職員=美波町日和佐浦の大浜海岸

 国内の発見例が30例ほどしかない珍しいクロウミガメが22日、徳島県海陽町沖の定置網に掛かった。県内での確認は初めて。地元漁協から連絡を受けた日和佐うみがめ博物館カレッタ(美波町日和佐浦)が保護し、23日に同町の大浜海岸から放流した。

 雌で、甲羅の長さ71・6センチ、幅59・3センチ、体重49・5キロ。首が少しへこんでいたが、健康状態に問題はない。鞆浦漁協(海陽町)の組合員が、仕掛けていた大敷き網を引き揚げて見つけた。連絡を受けた同館職員が引き取り、サイズ計測や健康状態のチェックを行った。右前脚と左後脚の2カ所に個体識別の金属タグを付けた。

 クロウミガメは甲羅の後部がとがり、腹が黒いのが特徴。NPO法人日本ウミガメ協議会によると、主に太平洋の東部に生息している。アオウミガメの亜種とする見方などがあるが、詳細は明らかになっていない。今後の研究に役立てるため、遺伝子も採取した。

 田中宇輝(ひろき)学芸員は、ウミガメは漁網で混獲された際に死んでしまうことも多いとして「組合員が優しく水揚げしてくれたので保護できた。生態調査などにつなげるため、見つけたら情報を寄せてほしい」と呼び掛けている。