雑居ビルに放火したとして逮捕され、移送される容疑者を乗せた捜査車両=24日午後1時10分ごろ、徳島中央署

 「よくライブに行っていた」。地元アイドルグループのライブ中に徳島市内の雑居ビルを燃やそうとしたとして現住建造物等放火と建造物侵入の疑いで逮捕された牟岐町の男(38)の父親という70代の男性が24日、徳島新聞の取材に応じ、息子の最近の様子などについて語った。

 男性によると、容疑者の男とは同じ敷地内の別の建物で生活しており、普段はあまり顔を合わせることはない。だが親子仲は悪くなく、趣味でライブに行っているのは知っていた。5、6年前に男性の妻が体調を崩してからは男性の年金で父子2人暮らしだった。

 通帳は容疑者の男が管理していたが、10日ほど前に突然、何も言わずに返してきた。男性は「なんだろうと思っていた。警察が来て事件を初めて知った」

 容疑者の男は、高校卒業後に就職した老人ホームを数年で退職。その後、県内企業の契約社員になったが、約10年前に退職した。男性は「首になった。『なんで正社員と同じ仕事をしているのに首になるんや』と不満そうだった」と語る。

 任意同行の時、容疑者の男は「おやじ済まんかった」と土下座したという。男性は「心配せんでええ」と言い、握手した。「なんでこんなことしたんか分からん。更生してほしい」と願った。