新型コロナウイルスの感染拡大が長期化している中、徳島県外にいる県出身の大学生も4月から新学年を迎える。最初の緊急事態宣言が出されてから約1年。思い描いていた学生生活を送れなかった悔しさをにじませながら、気持ちを切り替えて春からの研究や就職活動に励む。

 「将来に不安を感じた1年だった」。京都市に住む同志社大2年の長井洋子さん(20)=徳島市出身=は昨春からの生活を振り返る。オンライン授業では知識が身に付いた実感は乏しい。親しい友人とは無料通信アプリ「LINE」で頻繁にやりとりしていたものの、不要不急の外出自粛を求められた中で人間関係は広がらなかった。

 新年度は就職活動が本格化する。「大学に慣れて一番楽しい時期」を逃したような気持ちになり、自己分析する上で重要な社会経験が足りないのでは、との不安もある。「早めに動くつもり。企業説明会はオンラインを生かしてなるべく多く参加したい」

 京都工芸繊維大3年の大江柚希さん(21)=同=はオンライン授業が多かった昨年、実家に一時帰って受講した。県外大学に進んだ意味を問う日々だった。大学院へ進学を考えているものの、実際に研究室で交流する機会が少なかったことを残念に思っている。

 所属するダンスサークルでは感染対策を徹底しながら、どのように新入生を勧誘するか模索する。「2年生や3年生になってから新しいコミュニティーに参加するのは難しい。人とのつながりが薄いまま大学生活を過ごす影響は、コロナに関係なく大きいと思う」と後輩を気遣う。

 奈良県立大2年の湯浅亜美さん(20)=那賀町出身=が困ったのは、コロナの影響でアルバイト先の飲食店が廃業したこと。緊急事態宣言が解除された後も、対象地域だった大阪などに出掛けるのは少し気が引けている。

 新学期からは原則として対面授業に戻る。「オンラインに慣れたのでかえってつらいかも」と思いつつ、「コロナで自分と向き合う時間が増えた。大学で何をしたいのか考える時間を持てたので、不謹慎かもしれないけど経験して良かった」と言い聞かせた。