県柔道連盟の昇段試験を視察するフレーゼ会長(右端)とシュペッカー委員長(右から2人目)=20日、徳島市の県立中央武道館

 2020年の東京五輪で、柔道のドイツ代表チームが徳島県内で事前キャンプを行うことが事実上決まった。東京五輪の事前キャンプ地が県内に決まるのは初めて。来県しているドイツ柔道連盟のペーター・フレーゼ会長が22日、今秋にも事前キャンプに関する協定を締結する意向を飯泉嘉門知事に伝えた。

 事前キャンプ地は、大会前に選手が時差や環境に体を慣らすためのもので、一般的には1~2週間滞在し、選手村に移動する。

 県によると、男女双方の代表チームが県内で事前キャンプをするかどうかや滞在期間、選手団の規模などは決まっていない。練習会場について、県は鳴門市の鳴門ソイジョイ武道館の利用を想定している。今後、詳細を詰める。

 22日までに鳴門ソイジョイ武道館、徳島市の県立中央武道館を視察したフレーゼ会長はこの日、知事を表敬訪問し、協定締結の意向を伝達。知事は「心から感謝する。ドイツチームが万全の体調で試合に臨めるよう環境整備に努めたい」と応じた。

 フレーゼ会長は、スポーツ施設や周辺環境の良さ、関係者のもてなし精神などを選定の理由に挙げた。ドイツの柔道関係者は、過去3年間に今回も含めて3回、視察や交流などに訪れている。

 またフレーゼ会長は、11月に大阪府で開かれる柔道の世界大会「グランドスラム大阪」に出場するドイツチームが男女とも県内で事前キャンプを行う意向も表明した。
県は、東京五輪の事前キャンプ地として、ドイツのカヌーやハンドボール、台湾の野球、ネパール選手団の誘致も目指している。

 ドイツの柔道選手には、昨年の世界選手権で優勝した男子選手もいる。