金田実生「彼の清らかな意志」(2003年、県立近代美術館蔵)

伊勢御師が徳島市の住民に頒布したお守り札「神宮大麻」

 徳島市の文化の森で2021年度に開かれるイベントの概要が決まった。徳島県立近代美術館では、子どもをテーマにした特別展が注目を集めそうだ。絵を通して「子どもの幸せとは何か」について考える内容だ。県立博物館では、江戸時代に徳島の人々が大切に扱っていた伊勢神宮など有名寺社のお守り札を公開する。

■近代美術館 

 特別展「自転車のある情景」(7月17日~9月5日)は近年、再発見されている自転車の魅力にアプローチする展覧会。移動手段のみならず環境、健康、デザインなどの観点を含め、自転車を通じて美術とスポーツの在り方を考える。

 特別展「子どものころ」(10月9日~11月28日)は、子どもたちが生き生きとして、より一層幸せに生きるため、私たちに何ができるかを問い掛ける展覧会。この世界は子どもにとって未体験なことだらけ。金田実生(みお)の「彼の清らかな意志」など出展作の中に、悩みや驚き、考えを巡らせる子どもの姿を見いだし、現実の子どもたちと重ねて考える企画。

■博物館   

 企画展「徳島おふだコレクション~はらえたまえ きよめたまえ」(10月15日~11月21日)は、神仏の守護によって災難や病気を防いだり除いたりすると信じられたお守り札約150点を紹介。参拝者を引率する御師(おし)や修験者がもたらしたとみられる県外の有名社寺の札もある。目玉は、江戸時代に複数の伊勢御師が県内を回って頒布したお守り札「神宮大麻」。「御師権禰宜度会(ごんねぎわたらい)神主 足代勝太夫」「外宮一ノ鳥居御師 高向松太夫」などと書かれている。出雲大社の御師が札と一緒に配った縁起物「十六島海苔(うっぶるいのり)」も並ぶ。

■鳥居龍蔵記念博物館

 企画展「鳥居龍蔵の中国調査」(2022年2月5日~3月13日)は、鳥居龍蔵の中国調査に焦点を当てた内容。鳥居がライフワークとした中国東北部に10~12世紀に存在した契丹(きったん)族の王朝「遼」の文化の研究、晩年まで関心を寄せ続けた中国西南部の少数民族苗(ミャオ)族の研究成果などを紹介する。

■文書館   

 逸品展「徳島を伝える絵はがきの魅力」(4月27日~8月1日)は新収蔵資料のうち、戦前、戦後の地域の特色を伝える絵はがきを紹介する。

 企画展「住吉村組頭庄屋山田家と吉野川」(10月26日~22年1月30日)は組頭庄屋として幅広い任務をこなした山田家の絵図や古文書から主に吉野川に関する史料を紹介する。

 逸品展「徳島の歴史資料に見る感染症」(22年2月1日~4月24日)は医術家や薬屋が残した資料、村々に伝わる古文書などを公開し、感染症の恐ろしさと対策、歴史を解説する。

■図書館   

 「トーベ・ヤンソンの世界」(4月27日~6月6日)は小説「ムーミン」シリーズを生んだ作家で画家、漫画家だったトーベ・ヤンソンの没後20年にちなむ企画展。小説やエッセー、挿絵などが並ぶ。

 「徳島の写真家」(10月5日~11月21日)は徳島市出身の立木義浩さん、三好和義さんの写真集や、徳島に関係する人物や風景を撮った写真集を展示。1980年に放送されたNHK連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」の台本も並べる。

■21世紀館  

 県警察音楽隊による吹奏楽の「初夏のファミリーコンサート」(5月22日)や「秋のファミリーコンサート」(10月2日)の他、県内の中学、高校、大学の演劇団体による「演劇フェスティバル」(6月12、13、26、27日)がある。