徳島県が設立したオーケストラの演奏会に出席するため飯泉嘉門知事が公用車を使ったのは違法だとして、扶川敦県議が運行経費約44万円の返還請求を県に求めた住民訴訟の上告審弁論が29日、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)で開かれ、結審した。判決は5月14日。

 2017年7月に吉野川市で開かれた「とくしま記念オーケストラ」(記念オケ)の演奏会に、知事が公用車を利用して出席したのが公務に当たるかが争点。

 弁論で知事側は「演奏会は県の重要な文化振興政策の一環として開催したもので、知事の出席は公務。公用車利用の判断は知事の裁量権の範囲内だ」と主張。県議は「演奏会で県は名目上の共催者で、一切事業費を負担していない」などとして、公務ではないと訴えた。

 一、二審判決によると、知事は11~17年度に県内各地で開かれた記念オケの演奏会55回のうち52回に公用車で出席。県議がうち21回分について提訴した。

 19年10月の一審徳島地裁判決は、うち20回分は住民監査請求の期限を過ぎており、訴えが不適法だとして却下した。吉野川市の演奏会で公用車を利用したのも裁量権の逸脱はないと判断した。

 二審の高松高裁は20年6月、「(吉野川市の演奏会は)県主催でなく、知事のあいさつも無かった」などとして公務性を否定し、県が知事に約1万5千円の返還請求をしないのは違法との判決を言い渡した。

 最高裁は通常、結論を変更する場合に弁論を開くため、二審判決を見直す可能性がある。