JR四国は31日、2021年度から5年間の中期経営計画と10年間の長期経営ビジョンを発表した。国による5年で1025億円の財政支援を受け、25年度の目標として経常利益を単体で3億円、連結で13億円と設定。鉄道事業の安定化を図る一方、非鉄道事業を強化して30年度の連結売上高の目標を19年度比1・2倍の600億円とし、31年度の経営自立を目指す。

 鉄道事業では運輸収入の安定的な確保に向け、牟岐線や徳島線などで導入している「パターンダイヤ」の拡大で都市圏の利便性を高め、観光列車の維持・充実で誘客や周遊ルートの確立を図る。収入拡大が見込める運賃・料金の値上げを今後5年以内に行う。

 一方で、人口減少などで鉄道収入の大幅な増加が見込めないため鉄道以外の事業に一層注力する。ホテルの出店を拡大し、駅ビルの開発やマンション販売などで収益拡大を図る。

 25年度の収支計画は、収束時期が不透明な新型コロナウイルスの影響を加味していない。鉄道運輸収入は236億円、その他収入が80億円で単体の合計は316億円。連結では555億円と設定した。今後5年間の設備投資額は640億円を見込む。

 長期ビジョンでは、四国新幹線の整備を含めた鉄道高速化の早期実現を掲げた。

 17年度からの現中期計画は、経常利益3億円を最終目標としていたが、新型コロナの影響もあって大きく下回る見込み。高松市で会見した西牧世博(つぐひろ)社長は「厳しい経営状況が続くが、頑張れば届く目標だ。第二の創業期という認識のもと何としても達成したい」と話した。