感染対策を講じて行った昨秋の阿波踊りイベント=2020年11月、徳島市の藍場浜公園

 「本当に開催できるのか」「早く運営方針を示して」。阿波おどり実行委員会の解散が発表された31日、徳島県内の踊り子や観光事業者からは戸惑いや不安の声が相次いだ。運営の在り方を巡る一連の問題で阿波踊り自体のイメージが悪化することを懸念するファンもいた。

 「桟敷席のチケット販売など本番に向けて動きださないといけない大切な時期なのに、どうなるのか」。ゑびす連の鶴瀬幸子連長(76)は顔を曇らせる。阿呆連の森一功(かずのり)連長(73)は「新型コロナウイルスの感染対策や赤字の問題を抱え、実行委もどうしていいか分からなくなったのでは」と解散の背景を推し量り、「誰が運営のかじを取るか、きちんと話し合って早く収めてもらいたい」と要望した。

 突然の解散の一報に、県旅館ホテル生活衛生同業組合の森浦源泰(もとひろ)理事長(74)=剣山ホテル会長=は「大変なことになった。阿波踊りができるのか、今は不安しかない」と嘆く。タクシーや飲食店など関連業界にとっても死活問題だとして「内藤佐和子市長は新しい運営方針を早く示して」と求めた。

 運営の実務を担うはずだったキョードー東京など共同事業体との委託契約が解除されたことについても疑問の声が上がった。両国本町商店街振興組合の新居綾路理事長(58)=喫茶店経営=は「(実行委事務局の)市と事業体が十分に話し合いをしたようには見えない。委託したからには全部任せるべきだったのでは」と首をひねった。

 事態の早期収拾を願うファンは多い。板野郡内の60代女性はこれまでの経緯を振り返り、「運営を巡る対立を見るのは県民として嫌」と話し、「楽しい阿波踊りになるよう、次は見る人の立場に立って考えられる人を委員に選んでほしい」と注文した。