徳島市の阿波踊りを主催する阿波おどり実行委員会は31日、現行の実行委の運営体制では踊りの開催が困難と判断し、同日付で解散すると発表した。民間3社共同事業体と結んでいる運営業務に関する委託契約についても同日付で解除した。これにより、2019年度から始まった踊り運営の民間委託方式はわずか2年で幕を閉じることになる。今夏の阿波踊りの開催に向けては、市が今後の運営の在り方や事業計画を早急に検討するとしている。

 実行委事務局を務める市観光課によると、実行委は資金を保有する団体ではなく、新型コロナウイルス下で委託事業者に赤字が出た場合でも「税金で赤字補塡(ほてん)はできない」「収支の責任は事業者が負う」などと主張しており、委員の間でも運営体制を懸念する声があった。実行委員長を務める内藤佐和子市長も記者会見で「今の運営体制は形骸化し、責任ある判断ができない」と述べ、実行委の見直しに取り組む考えを示していた。

 こうした状況を受け、事務局は実行委の解散を委員5人に書面で諮り、4人から承諾を得た。31日で委員の任期が満了となり、再び選任の手続きを取らないまま同日付で解散した。

 実行委は、遠藤彰良前市長時代の19年度から5年契約で事業体に踊りの運営を委託した。しかし、昨年4月に市長が内藤氏に交代。新型コロナの影響で昨夏の踊りが中止となる中、事業体が契約上支払わなければならない年間500万円の固定納付金を昨年分は実行委に納めていないことなどが業務不履行に当たるとして、事業体との契約解除を決め、同日付で通告した。

 阿波踊りの経費負担などを巡っては、実行委と事業体が対立している。事業体は昨夏の開催準備に要した約2100万円の費用分担や納付金の免除を求め、協議する場の設置を要望。実行委は2月下旬の会合で、提案には応じられないと全会一致で決めた。

 実行委は18年、県内の経済団体などが中心となり踊りを主催する新組織になった。

 2月下旬の実行委会合では、今夏の踊りについて感染対策を講じた上で8月12~15日に開く方向性を示した。内藤市長は「踊り開催を安定的に継続していくために、責任を持てる運営体制を再構築する必要があると考えている」とコメントした。