ホテルと商業施設が入居し、JR四国では最大の徳島駅ビル=徳島市

 1993年、現在の徳島駅ビルが全面開業した。地上18階建てでホテル、商業施設、立体駐車場を備えたJR四国最大の駅ビルだ。

 徳島にこのようなビルができたのは、バブル経済の最中に計画されたことが大きい。2001年に建て替えられた高松駅ビルは、乗降客数が四国最多なのに規模は徳島駅よりはるかに小さい。

 身の丈に余る徳島駅ビルの経営にJR四国は苦心してきた。商業施設・クレメントプラザの売り上げは95年度の70億円をピークに、2016年度は25億円と4割に減少した。

 11年にオープンしたゆめタウン徳島や京阪神の商業施設に買い物客を奪われた上、駅の利用者も減っている。今年4月にはイオンモール徳島も開店し、厳しい経営環境が続いている。

 入居するテナントの数は最盛期の半分の約50。1階は比較的にぎわっているが、地下1階と2~5階は空いたスペースを覆うパネルやついたてが目立つ。3月にはグループ会社のパン屋まで撤退した。

 JRホテルクレメント徳島の売り上げは、会議の誘致やインバウンド(訪日外国人旅行者)の増加で下げ止まりつつあるものの、ピークだった1998年度の30億円から、2016年度には20億円に減少している。

 特に、婚礼の落ち込みが経営を圧迫している。ハウスウエディングとの競合や結婚式・披露宴を挙げないカップルの増加で、1998年ごろに15億円あった婚礼の年間売り上げが2016年度には8億円に半減した。

 経営を支援するため、駅ビルを所有するJR四国は、商業施設とホテルを運営する子会社(現在のJR徳島駅ビル開発とJR四国ホテルズ)から徴収する家賃を値下げしている。家賃収入は10年度の1億8千万円に対し、16年度は半分の9千万円。ホテルの関係者は「JR四国の支援がなければ、いつつぶれてもおかしくなかった」と明かす。

 JR四国は、商業施設については抜本的なフロア構成の見直しを検討中。ホテルは好調な宿泊の稼働率向上に力を注ぐ。

 松木裕之常務・事業開発本部長は「駅前の活性化に貢献しなければならないので、駅ビルの運営は単純な収支では図れないが、クレメントプラザは何とかしないといけない」と危機感をにじませる。

 県都の顔といえる駅ビルの活性化は、徳島県にとって大きな課題でもある。徳島駅周辺で計画されている鉄道高架や音楽ホールの整備が集客力の向上につながる可能性があるだけに、両事業の行方も注目される。(高松支社・宮本真)