この日は車のルーフテント(オートホーム/マジョリーナ)を寝室に。設営したテントはリビングとして使用。仁居夫妻のギアは自然に溶け込むアースカラーがメインだ。

FUJITA CANOEの木製フレームのカヤックで出動。北海道の和琴半島湖畔キャンプ場の前に広がる屈斜路湖。

 大自然と一体化するような開放感。そこには時間を気にせず過ごす自由があり、何もしない贅沢がある。こだわりのギアでキャンプサイトを作る楽しみや焚き火を囲む非日常なひととき。外遊びを謳歌するキャンパーたちをクローズアップ。

仁居正臣さん(45・つるぎ町出身)と仁居瑠美さん(40・つるぎ町在住、岐阜県出身)

 「行く場所やロケーションに合わせた道具を車に積み込んで出発するんです。テントを設営するときは、毎回新しい家を作るような感じです」。2012年からキャンプを趣味にする仁居正臣さん、瑠美さん夫妻。多いときには毎週末、少なくても月1回はキャンプへ出かけ、長期休みには北海道のキャンプ場を巡るのが恒例だ。

 きっかけは瑠美さんが書店でたまたま手にとったキャンプ雑誌。「子どもの頃に家族で行ったキャンプとはイメージが全然違ってて。いろんなスタイルがあって楽しそうだな、やってみたいなって思ったんです」。何より家族である2匹の愛犬、花&唄と一緒に気兼ねなく泊まりで出かけられることに惹かれた。アウトドアブランド「ノルディスク」のテントを購入し、初めて行ったのは香川県の休暇村讃岐五色台キャンプ場。「慣れてないのもあって設営や撤収でバタバタして、1泊では足りんなと思いました。でもここからドハマリするんですけどね」と正臣さん。仁居夫妻はドッググッズをハンドメイドで製作し販売するオリジナルブランド「Chien(シアン)」を運営している。ふだんは自宅のアトリエにこもって黙々と製作に打ち込む。「以前は土日も関係なく仕事してたんです。でもキャンプに行くようになって、仕事は基本平日のみにして。週末は自然の中でご飯食べて、飲んで、寝て。そしたら気分がリセットされるんですよね」。正臣さんがそう言うと大きく頷く瑠美さん。非日常な環境でオンからオフへ切り替わる、その心地よさにすっかり虜になった。

 最初の頃はキャンプ場内で過ごすことが多かったが、設営に慣れてくると、テントを拠点に自転車で周辺を散策したり、カヌーをしたりアクティビティも楽しむようになった。夫婦と愛犬だけのときもあれば、SNSを通じて知り合ったキャンプ仲間と現地で合流して賑やかに過ごすことも。地元の食材を調達して料理し、それをアテに皆で夜更けまでお酒とおしゃべりに興じる。薪ストーブでピザを焼いたり、スチーマーで焼売を蒸したり。猟師の父を持つ瑠美さんは鹿肉のローストやアヒージョ、スモークなどジビエ料理が十八番だ。

 2017年には、珈琲セットやアウトドアグッズを製作販売するガレージブランド「Forester'sCafe(フォレスターズカフェ)」を立ち上げた。外遊びにぴったりの使い切りサイズでパッケージした珈琲豆を皮切りに、本業の技術を活かしたウェットティッシュケースや調理器具を置くスタンドなどを商品化。「こんなん欲しいな、あったら便利やなって思うものを作っています」。ネット販売のほか、各地のキャンプイベントに出店し好評を得ている。

 キャンプをするようになって約10年。北海道から沖縄までどこへでも遠征するふたり。目的地はロケーション重視で選ぶ。一番のお気に入りは四国カルストの姫鶴平キャンプ場(愛媛)。テントの外に広がる雲海が幻想的で、別世界へトリップさせてくれる。行くたびに違う景色を見せてくれるのが魅力だ。また、印象深いのは、北海道の朱鞠内湖畔キャンプ場。湖の畔にあり、対岸に白樺の木が林立する様が美しい。同じく北海道の、きりたっぷ岬キャンプ場も良かったと声を揃える。「丘の上にあって、朝テントの外を見たら昆布漁の船が点々と海に浮かんでて。キャンプに行くと、時間を忘れて眺めてしまうような景色に出会えます」。仁居夫妻は雄大な自然に溶け込むように自分たちだけのサイトをコーディネイトする。まるで移動する別荘のように。    

>>Forester's Cafe

1袋18〜20gの珈琲豆やソトアソビに役立つオリジナルアイテムを販売中。