満開を迎えた徳島地方気象台の桜

 3月25日、徳島地方気象台は徳島市大和町2の敷地内にある桜(ソメイヨシノ)の標本木が開花したと発表した。西日本の県庁所在地では最も遅く、四国では高松、松山、高知の3市と比べて10日遅い開花。一方、眉山など県内各所では、開花発表以前に桜が咲き始めていた。各地と比べ、徳島は開花が“遅い”のか。

徳島市大和町2の徳島地方気象台

そもそも「開花」「満開」ってなに?

 開花と満開の情報は「生物季節観測」の一環で、毎年、各都道府県の気象台が発表している。観測予報班の技術専門官が、標本木に選定した敷地内のソメイヨシノを観察。指針では標本木に5、6輪の花が咲いたら開花、桜全体の80%以上が咲いたら満開と決まっているという。

徳島地方気象台の敷地内にある標本木のソメイヨシノ

標本木はどこにある?

 「開花は平年より早いです。1月上旬は冷えたけど、全体的に気温が高めで推移したので早かったのではないでしょうか」と徳島地方気象台の宮本健地域防災官(57)は推察する。植物の観測は、原則、構内に1本の正標本木を定めて行うと決まっている。

 ただ気象台が他の行政機関と合同の庁舎に移動するなどして、敷地内での管理・観察が難しい場合もあり、近くの公園などの桜を観測している地域もあるという。

 四国では高知が高知城、香川は栗林公園、愛媛は道後公園に標本木を選定している。徳島地方気象台は眉山などの桜の名所とは場所や環境が異なるため、開花日も同じではない。

桜の観測について説明する藤野調査官

桜の観測は気象を知るため

 今年は全国各地で桜の開花が早く、徳島は開花が“遅い”という印象になった。

 「標本木と言うと県を代表するみたいに聞こえるけど、あくまで気候変動を読み取る対象。もっと開花の早い場所はあるが、最速の開花を観察するのとは別」と藤野継夫調査官(47)は話す。気象台の生物季節観測は、植物の状態が季節によって変化する現象に対して行う観測で、観測結果から季節の遅れや気候の違い、変化など気象状況の推移を知ることができる。

 「植物の状態から季節の変化を知ることが気象台の仕事です。開花や満開を通じて、季節を知ることにつながれば」と話した。