食害などで激減したシバザクラ。シカらしい動物の足跡もある=吉野川市美郷大神

シカの食害などで激減しているシバザクラ=吉野川市美郷大神

例年はシバザクラが彩る高開の石積み=2020年4月8日、吉野川市美郷大神

 吉野川市美郷大神の観光名所「高開の石積み」を彩るシバザクラが激減している。例年なら石積みの側面を花が埋める頃だが、今年はほとんど咲いていない。シカの食害や昨夏の猛暑などが原因とみられ、美しい石積みとレースカーテンのような花の共演を今季は楽しめそうにない。

 シバザクラは、約350年前に築かれたとされる石積みの景観保全を目的に、25年ほど前から地元住民が育てている。約1・5ヘクタールにピンク、白、紫の花が広がる県内有数の名所として知られ、毎年4月上旬に見頃を迎える。

 今年は3月中旬から花を付け始めたが、例年なら石積みから長く垂れ下がる花がほとんど見られない。集落の住民の減少もあってシカが低地に現れるようになり、新芽が食べられたのが理由という。石積みの間の道にはシカとみられる足跡も残り、住民は防護ネットを張って守ろうとしている。

 昨夏の猛暑と少雨でシバザクラが弱ってしまったことや、年月の経過で成長に勢いがなくなっているのも影響したとみられている。

 近くの髙開峯子さん(80)は「植えても植えてもすぐシカに食べられてしまう。以前のような景色に戻すのは、すぐには難しいかもしれない」と残念がっている。