約10センチに成長したオニテナガエビ=美馬市穴吹町の旧宮内小

室内プールでオニテナガエビの養殖に取り組む大岡さん=美馬市穴吹町の旧宮内小

 廃校になった徳島県美馬市穴吹町の旧宮内小学校で、オニテナガエビが養殖されている。すしネタなどの食材として事業化を企画した大岡敬治代表(58)=徳島市幸町3=が市に協力を求め、市が敷地を無償貸与した。約千匹を試験養殖しており、6月までに計5万匹に増やして「剣山鬼えび」の名称で秋以降の出荷を目指す。大岡代表によると、国内での食用養殖はこれまで関東と九州の2カ所だけ。

 大岡代表は、徳島市で実家の小売業を営みながら1次産業への参入を考えていた。昨年、オニテナガエビ養殖を知り、国内での例が少なく稚エビから約半年で出荷できることなどから、実現に乗り出した。

 適地を探していたところ、清流・穴吹川のそばにあり、14年に廃校になっていた旧宮内小学校を見つけて市に活用を打診。市は地域活性化に貢献することなどを条件に、昨年8月から5年契約で無償貸与した。

 稚エビ時は、養殖用に設けた室内プールで育てる。5センチ以上に成長すれば、水温20度以上を保てる夏場に、かつて授業で使われていた屋外プールに移す。全長20センチ、重さ約50グラムに育て、ホテルやすし店などに出荷する計画。

 昨夏、全長5ミリの稚エビ約千匹を搬入し、くみ上げた地下水で飼育。約4~13センチに成長した。今年4月に1万匹を、5、6月にそれぞれ2万匹を加える。

 大岡代表は「食感が良く、すしネタとしては車エビ以上のおいしさ。中山間地域の廃校プールを活用したビジネスモデルとして成功させたい」としている。

 オニテナガエビはフィリピンからインド洋、西太平洋の淡水から汽水域にかけて生息し、最大30センチ近くまで成長する。大きなはさみを持ち、腕に細かいとげがあるのが特徴。