今春開校した阿南光と本年度末で閉校する阿南工、新野の3高校が、26日に始まる徳島県高校総合体育大会のバスケットボール男子に合同チームで出場する。全国高校総体(インターハイ)の実施競技ではないラグビーを除き、県総体に合同チームが出るのは2005年以来13年ぶり。選手たちは学校の垣根を越えて練習に励んでいる。
合同チームは昨年10月の全国高校選手権県予選後、3年生が引退するなどして部員が4人と不足していた新野が、部員17人の阿南工に持ち掛けて3月に結成された。4月には阿南光の1年生7人が加わり、3校合同となった。
阿南工と阿南光は同じ敷地にあるが、新野は約13キロ離れている。自転車だと1時間近くかかるため、平日は別々に練習。週末に阿南工の体育館で合同練習している。結成当初は選手に戸惑いも見られたが、すぐに打ち解け、練習を重ねるたびに一体感は深まった。4月以降の練習試合は2勝1敗と勝ち越し、勢いづいている。
26日の初戦は、鳴門アミノバリューホールで徳島北と対戦し、阿南工のユニホームを着て臨む。合同チームの主将を兼ねる阿南工の徳田玲汰主将は「3校一丸で初戦突破を目指す」。新野の多田智也主将は「自分たちだけでは総体に出られなかった。阿南工への感謝の気持ちを込めてプレーしたい」と意欲を見せる。
県総体がインターハイの予選を兼ねる競技について、全国高体連は単純な部員不足を理由とした合同チームの参加は認めていない。一方、統廃合を伴う学校再編で人数が足りなくなった場合は2年間に限り、合同チームの参加を認めている。
県内では日和佐、海南、宍喰商の3校が統合して海部高校が誕生した04年に剣道など4競技、05年にもバレーボールなど3競技で合同チームが出場した。
今年の総体で3校合同チームはバスケットボールの男子のみだが、2校合同チームは複数ある。阿南工・阿南光の組み合わせが剣道男子など8競技、新野・阿南光はソフトテニス女子など4競技に出場を予定している。