四国電力阿南発電所の4号機=阿南市橘町幸野

 四国電力の佐伯勇人社長は23日の定例会見で、石油火力の阿南発電所2、4号機(徳島県阿南市橘町)を将来、廃止する方針を明らかにした。老朽化と電力需要の低迷が理由。1号機も事実上の廃止状態にあり、当面は全4基のうち3号機を中心に稼働させる。

 会見では、四電が持つ火力発電所計11基のうち、定期検査を受ける間隔が最大4年延びる国の審査を、阿南3号機など5基で受ける方針を示した。一方で阿南1、2、4号機と西条1号機(愛媛県)は審査を受けることを見送った。坂出3、4号機(香川県)は既に審査に合格している。

 佐伯社長は「古いプラントは廃止を考えないといけない。省エネが進んで供給力が需要を上回っている。阿南2、4号機の建て替えは念頭にない」と話した。

 阿南1号機は1963年運転開始で、2002年4月以降は稼働していない。現在は最低限の手入れしかされず、運転再開の見込みがない「長期計画停止」の状態。69年運転開始の2号機も16年8月から長期計画停止に入った。2基とも廃止にはなっていないが、稼働させるのは難しい状態になっている。

 3号機は75年、4号機は76年の運転開始で3号機の方が古いが、排煙を浄化する装置を備えた3号機が中心に使われている。昨年度の稼働日数は3号機の207日に対し、4号機は27日と電力需要のピーク時のみ動いている。