スダチ園で試験稼働するロボット草刈り機=神山町下分

県立農林水産総合技術支援センターなどが開発したスダチ用肥料(同センター提供)

 県内のスダチの産地で、高齢化が進む生産者の作業負担軽減に向け、省力化技術の活用が広がりつつある。神山町の生産者が、自動で除草するロボット草刈り機を導入したほか、県立農林水産総合技術支援センターとJA全農とくしまは施肥の回数を大幅に減らせる肥料を開発した。

 神山町下分の長尾英智さん(73)は2月、樹木間を自走する電動ロボット草刈り機を導入し、スダチ園6アールで試験運転している。夏場の暑さや傾斜地での作業の大変さに頭を悩ませていたところ、県東部農林水産局に紹介された。機械はスウェーデンのメーカー製で、希望小売価格は62万7千円。費用の4分の3に国の経営継続補助金を活用した。

 ワイヤで囲ったエリア内を自動走行する。メーカーによると、機械は太陽光発電所の管理や芝生の維持などに使われている。24度の傾斜まで対応でき、スダチ園の場合は1日で約40アールの草が刈れるという。

 3月中旬、長尾さんのスダチ園で県東部農林水産局などが主催する実演会があり、生産者ら約70人が見学した。長尾さんは「草が伸びやすく作業の負担が大きい真夏に楽ができるのではないかと期待している」と話した。

 県立農林水産総合技術支援センターなどが開発した肥料は、県の栽培マニュアルで年4回を基本としている施肥を1回程度に減らせる。昨年12月、全農とくしまが1袋(15キロ入り)約5300円で発売した。

 センターは、微細な穴を開けた生分解性プラスチックでコーティングされた市販肥料を活用。生育に必要な窒素、リン酸、カリウムの割合を調整し、ゆっくりと溶け出して効果が6~7カ月続くようにした。

 2013~17年に神山町で実施した試験では、従来の方法での施肥と比べて収量が1割ほど増え、スダチの果皮の色も変わらないとの結果が出た。一方で、2月以降に出荷する、長期貯蔵したスダチの皮は、茶色になりやすい傾向もみられた。

 センター資源環境研究課の新居美香専門研究員は「定期的に土壌を診断し、園地によって従来の肥料と使い分けてほしい」。全農とくしまは「省力化のための選択肢として普及させたい」としている。