徳島でも感染の「第4波」が到来したとの見方を示す田山医師=徳島市内

 新型コロナウイルスの直近1週間の新規感染者が過去最多を更新するなど、県内で感染者が急増している。県医師会感染症対策委員長の田山正伸医師に現状をどう捉えているのか聞いた。田山医師は「徳島にも感染の『第4波』が到来したと考えていい」とした上で「変異株の感染力はすさまじく、今は爆発的な感染拡大の瀬戸際。一人一人が感染対策を見直してほしい」と警鐘を鳴らした。

―なぜ感染が急拡大しているのか。

 現在の感染状況をみると、関西圏などから流入した英国型の変異株がまん延している可能性が高い。それに加え、進学や異動による人の流れの増加、歓送迎会といった大人数での会食の機会が増えたのが影響したといえる。

―市中感染は。

 起こっていると考えた方がいい。感染者の感染経路不明割合は高くないものの、数字の低さが現実と相関するわけではない。マスク着用や消毒など従来通りの対策を行う人が多いにもかかわらず、感染スピードは従来を上回っているのが実情だ。感染対策への疲れや慣れ、油断が出てきているかもしれないが、3密回避などをさらに徹底してほしい。

―病床使用率は政府の感染症対策分科会が示す「ステージ4」に迫っている。

 ベッドの占有率以上に、医療従事者への負担が厳しくなっている。患者を受け入れる病院は業務過多でスタッフが疲弊しており、先が見えない状況に耐えられず辞職する人が増えるかもしれない。今と同じペースで感染者が増えれば医療は逼迫(ひっぱく)し、通常の診療にも影響が出てくる可能性がある。病院間の応援態勢拡充など、マンパワーの確保が急がれる。

―いつまで対策を続ければいいのか。

 変異株を含むウイルスと予防的に「戦える」のはワクチンだけだ。ワクチンの有効率は90%以上とされており、変異株にも効果が期待される。ワクチンが県内で普及し、感染者数が目に見えて減る段階になるまでは従来通りの対策を心掛ける必要がある。行政も単に感染者数を発表したり、注意喚起したりするだけでなく、発信方法を工夫し、県民の理解を得てほしい。