徳島市が撤退した新町西地区再開発事業を巡り、地権者でつくる再開発組合が市に損害賠償を求めた控訴審の和解協議が8日、高松高裁であり、市が組合に4億1千万円を支払うことで和解が成立した。和解条項には「施策変更(事業からの撤退)に関する対応が適切でなかったことによる賠償」「互いに協力して今後のまちづくりをする」と明記した。

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 昨年5月の徳島地裁判決では、遠藤彰良前市長による事業からの撤退を「信頼に反する違法な行為」と認定。組合の主張をほぼ認め、6億5448万円の請求額に対し、2014年9月~16年6月に組合が支出した調査費や設計費、事務費など3億5878万円の支払いを命じた。

 市、組合の双方が控訴したが、高裁は昨年11月、「早期の円満解決の観点から」との理由で、地裁判決の賠償金に金利の一部を上乗せした4億1千万円を市が支払うとした和解案を提示。双方とも和解に応じる方針を示していた。

 組合の高木俊治理事長(69)は、徳島市西新町1の組合事務所で会見を開き、「(和解金は)債権者に返済するので組合には何も残らないが、まちづくりで協力することが和解条項に明文化されたのは大きな前進だ。市には建設的な意見と具体的な提案を期待したい」と話した。

 内藤佐和子市長は「今後は地区のまちづくりが停滞している状態を解消し、互いに協力して、実現のために努めていきたい」とのコメントを出した。

 新町西地区再開発事業を巡っては、この訴訟とは別に、地権者30人が慰謝料や不動産取引に伴う損害など計約1億7千万円の賠償を求めて市を提訴しており、現在徳島地裁で争っている。