とくしまアラートの発動を受け、啓発チラシを貼る鳴門市職員=市役所

 徳島県が新型コロナウイルス感染拡大を受けて県民に警戒を促す「とくしまアラート」を発動した8日、病院関連のクラスターが発生している鳴門市の担当者は緊急の会議を開くなど対応に追われた。予防策に神経をとがらせてきた高齢者施設は啓発効果に期待を寄せる。一方、感染が増えつつある若者らからは、より実効性が高い対策を求める声が上がった。

 鳴門市はアラート発動を受けて午前9時から新型コロナ対策本部会議を開催。感染者が急増している阪神地方との不要不急の往来自粛などを市民に改めて呼び掛けると決め、県が作った啓発チラシを庁舎内に掲示した。吉田大危機管理課長は「県民の予防意識が高まり、感染拡大に歯止めがかかってほしい」と話した。

 重症化リスクが高い高齢者施設では厳戒態勢が続く。70人が入居する同市大津町の介護老人保健施設「陽だまり苑」では消毒や密回避、飛沫が飛ぶカラオケの自粛といった対策を徹底している。原田秀夫施設長(78)は「アラートで人の往来が減ることに期待している。県にはワクチン接種の態勢整備も早急に進めてほしい」と求めた。

 アラートの警戒レベルが5段階で最も低い「感染観察注意」とされたことなどから、効果を疑問視する声も聞かれた。徳島大理工学部4年の男子学生(21)は「学生の感染者が出ている現状でも5人以上で集まっている人はいる。警戒レベルを上げるなど、もっと強いメッセージが必要だ」と訴えた。

 「県民は既に県外との往来や外食を控えており、影響は限定的だろう」と話すのは徳島市秋田町でカフェを経営する平尾明治さん(50)。この1年はコロナ禍で集客が以前と比べて8割以上落ち込んでいるといい「事業者の自助努力はもう限界。県には単発の給付金ではなく、継続的な支援策を打ち出してもらいたい」と注文を付けた。