夜中に何度も小便

 【質問】40代男性です。夜中に何度も小便に行くようになりました。頻尿だと思います。飲み物を減らせば小便の回数は減ります。しかし、水分を取らないデメリットがあると思い、お茶などを結構飲んでいます。酒は全く飲みません。水分を取るのを減らさず、小便の回数を少なくする方法はないですか。いい対策があれば教えてください。

 

排尿日誌付け状態判断

 【答え】宇都宮正登院長・宇都宮皮膚泌尿器科(徳島市吉野本町1)

 夜間頻尿は、1度以上、夜間の排尿のために起きなければならないことです。原因は大きく分けて内科的要因と泌尿器科的要因があります。

 内科的要因は、加齢、生活習慣、糖尿病、高血圧や動脈硬化といった循環器疾患、腎機能低下など全身疾患の一部として現れていることがあります。これらの疾患の人は、まず原疾患を治療することが大切です。

 泌尿器科疾患は、前立腺疾患、膀胱疾患、腎臓疾患が考えられます。泌尿器科的な診断には排尿日誌を付けると原因を探るのに役立ちます。排尿回数と排尿した時間、出た尿の量、我慢できない尿意の有無、尿漏れの有無、水分摂取量を、その都度メモ書きで詳しく表に記した排尿日誌を付けることで、患者の排尿状態を的確に判断できます。

 単に夜の水の取りすぎによる夜間多尿が原因の場合は生活指導によって改善できます。

 また高齢者男性の前立腺疾患は夜間頻尿の大きな原因です。これは前立腺を治療することで改善します。膀胱の蓄尿障害の場合は、蓄尿を改善する薬剤(過活動膀胱の薬)の投与が有効です。

 1日の生体リズムを考えると、尿ができるのは夕方に最大となり夜間に低下する傾向です。これには尿ができるのを抑える抗利尿ホルモンが強く関与します。このホルモンの分泌が夜間に悪いと夜間多尿から頻尿となります。

 さまざまな原因で夜間頻尿は起こります。相談者は比較的若く、就寝前に水分摂取が多いとのこと。前立腺肥大症の可能性は低いでしょう。

 まずは排尿日誌を付け、水分の取り方など調整を始めましょう。生活指導が効果なければ、蓄尿を改善して過活動膀胱を抑える薬を試してください。

 水分摂取を減らさずにとの希望なので、最近使えるようになった抗利尿ホルモン剤を寝る前に内服すると有効かもしれません。

 質問募集 読者の健康に関する悩みに、県内の専門医がお答えします。病気、体調不良などの症状を詳しく書き、住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号を明記し、郵便番号770―8572 徳島新聞社生活文化部「健康相談」係へ。Eメールはkurasi@topics.or.jpへ。紙上に住所、氏名、電話番号は掲載しません。