メディアドゥが12日発表した「デジタル付録」事業で鍵となるのが、「ブロックチェーン」というデジタル技術だ。一般的に、デジタルデータは海賊版が出回りやすい。ブロックチェーン上のデータは所有者や取引の情報が保証されるため、データを資産として流通させることができる。

 海外では米プロバスケットボールNBAの選手のプレー動画などをデジタルカードとして売買できるサービスがあり、人気動画は1千万円超で取引されている。魅力的なコンテンツを開発できれば、国内でも大きな市場を創出できる可能性が高い。

 価値のあるデジタル付録を付けることで、書籍の販売や書店の集客を増やし、出版業界全体の活性化につなげるという。

 メディアドゥの主力は紙の本と相対する電子書籍だが、「出版業界全体の発展に貢献する」との使命感を持っており、全国書店とネットワークを持つ出版取次大手トーハンと3月、約30億円を相互出資して資本業務提携を締結。トーハンの筆頭株主となった。

 徳島との縁も事業進出に関わっている。藤田恭嗣社長は昨年末、事業の基となるアイデアを平惣(阿南市)の平野惣吉社長らに相談し、興味を示されたことに背中を押されたという。

 今後、書籍の付録だけでなく、直接デジタルコンテンツの販売も手掛ける方針。藤田社長は「日本の出版文化は書店があってこそ。この取り組みで書店を支え、業界の発展に貢献したい」と話している。 

 ブロックチェーン 取引記録などをネットワーク上で管理する技術の一つ。インターネットに接続した複数のコンピューターで記録を共有・監視し合う仕組みのため、記録のコピーや改ざんが困難とされる。「分散型台帳」とも呼ばれ、暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として知られる。