内藤佐和子徳島市長が、今夏の阿波踊りを市主催で実施すると明らかにした。阿波おどり実行委員会が突然解散してから約2週間。本番まで4カ月と迫り、ようやく運営体制の方向性を示した形だが、不確定な部分はまだまだ多い。

 市の案では、事業計画の策定や運営の総合調整は市が担い、演舞場やおどり広場といった各会場の運営については、踊り団体やまちづくり団体などの協力を得る。ただ、民間3社共同事業体と契約解除に至った経緯などから、市に不信感を募らせている市民は多い。すんなりと協力を得られるとは思えない。

 収支の見通しも不透明だ。事業費を捻出する方策として、インターネットで資金を集める「クラウドファンディング」などを挙げる。しかし、市の担当者は「いろんなことを模索しながら詰めていく段階」としており、現状では何も決まっていないようだ。

 12日に民間3社共同事業体総責任者の前田三郎キョードー東京取締役が会見。実行委の契約解除を「一方的だ」と批判し、市に損害賠償を求めると明らかにしたばかりだ。

 その翌日の定例会見とあって、市長は何としてでも「新たな踊りの形」を示したかったのではないだろうか。

 市長は会見で「踊り自体が赤字でも、地域経済への波及効果で全体が黒字になれば、との議論は今後あり得る」とした。これまでの実行委の仕組みでは税金投入が認められていなかったが、市が主体となった運営体制ではそれが是となる可能性も出てきた。

 開催への不安が払拭(ふっしょく)されたとは言い難い。市民への説明が不十分だ。