徳島県は13日、県立中央病院(徳島市)の入院患者3人を含む10~80代の男女23人が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。同病院ではこれまでに患者4人の感染が確認されており、県は7人規模のクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。クラスターは県内19例目。医療従事者や患者らの検査をほぼ終えており、一般外来や救急の受け入れは続ける。4月の感染者は12日検査分までで190人となり、今年1月(187人)を上回って月間最多となった。

 新たに感染が分かった中央病院の入院患者は70代男性2人と80代男性。いずれも8、9日に抗原検査を受けて陰性だったが、うち2人はその後発熱。もう1人は医師が必要と判断し、3人とも再び検査を受けて陽性と判明した。2人は8日に最初に感染が分かった80代男性と同じ大部屋、残る1人は同じ病棟の個室に入院していた。

 中央病院では8、9日に入院患者4人(うち1人は退院済み)の陽性が判明。9日から一般外来と救急の受け入れを原則停止し、医師や看護師ら職員と入院患者、病院に出入りする業者ら1192人に検査を実施し、12日に再開した。

 臨時会見した飯泉嘉門知事は「検査は1人を残して終わっており、(検査していない)新たな人が感染したわけではない」とし、再び診療を停止する必要はないとした。患者からウイルスが持ち込まれた可能性を指摘した上で、これまでは救急と手術を控えた患者のみに実施していた抗原検査を、今後は入院前の患者全員に行うとした。