世界シェア80%を占める自動車の窓ガラス用加工機=徳島市の坂東機工

外国産の高級車に使用されている窓ガラス=徳島市の坂東機工

 自動車の窓ガラス用加工機の世界シェア80%を占め、外国産の高級車から国産車まで、あらゆる自動車用窓ガラスの生産を支えている。取引先であるガラスメーカーの製品や工場の配置に合わせ、オーダーメードで設計から製造まで一貫生産して高品質を保つことで、世界のトップを走り続けている。

 製造は「切断」「折り割り」「研磨」の3工程からなる。<1>板ガラスに切れ目を入れる<2>切れ目に沿ってガラスを押し割る<3>切断部を磨き上げるという手順を踏む。従来は工程ごとに個別の機械が必要だったが、各工程を一元化することで省スペース化を実現した。

 特長は、世界最高水準の加工速度や精度だ。運転席横などのサイドガラスは7秒ほどで完成する。車体に応じた形状や厚みなどさまざまな条件への対応が求められるが、国内外で100以上の特許を取得している技術力で要望に応えている。性能や実績が評価され、2015年には経済産業省の「ものづくり日本大賞」の製品・技術開発部門で優秀賞に選ばれた。

 受賞メンバーで生産設計課の武知徹係長(60)は「生産スピードが速く、多種多様な形状に対応でき、他のメーカーより勝っている」と胸を張る。

 このガラス加工機は1996年に誕生した。世界的に生産量が伸びている自動車の量産体制を整えようと、前身の機械を改良。他社製品を使用していた一部の工具は品質や耐久性に課題があったため、坂東和明・現社長が旗振り役となって切断面を磨く「ダイヤモンドホイール」などの製造に乗り出し、2002年には工具開発の会社を立ち上げた。

 当初から輸出に力を入れ、今では欧州や北米、アジア、アフリカなどの60カ国と取引がある。機械はタッチパネルで簡単に操作でき、熟練の技術者でなくても操作できるようイラストを取り入れたり現地の言語に対応したりして利便性を高めている。

 16年に発売した2種類の新型機が、さらなる受注増につながった。最も時間がかかる研磨のラインを2本に倍増させるとともに、工程間の移動速度を上げ、11秒ほどだった製造スピードは約7秒に縮まった。これがヒットし、約70%あった世界シェアは約80%に上昇。1996年に約15台だった年間販売台数は2000年に約30台、19年には約70台と倍増を続け、会社全体の売り上げの75%を占める主力製品に育った。

 他の機械にもノウハウを応用し、液晶パネルや建築用など幅広いガラス加工機を手掛けている。米アップル社とも取引があり、デスクトップパソコンなどの生産に活用されている。

 ガラス加工機は全て県内の工場で生産している。坂東眞己子取締役は「徳島に本社を構える会社が、下請けではなく、世界的企業と対等に渡り合っている。今後も徳島から世界を支えたい」と笑顔を見せた。