客が訪れず、30分早くのれんを下ろす先山店長=16日午後8時半すぎ、徳島市富田町の「菜の花」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、徳島県が県内全域の飲食店に対して午後9時までの営業時間短縮(時短)を初めて要請した16日、徳島市中心部の繁華街を巡った。店舗の半数ほどが店を閉め、通りの人影はまばら。酒類の提供が午後8時までとなり、客からは「飲み足りない」との声が上がった。時短に協力しなかった店舗は「協力金の額が少なく賛同できない」と、いら立ちを見せた。

 午後7時ごろから紺屋町や富田町、栄町、鷹匠町などを歩いた。週末にもかかわらず、行き交う人は数えるほど。午後9時まで変化はなかった。入り口に時短を知らせる文書を張った店をのぞくと、数人の姿が見えただけだった。

 営業していた店の多くは、午後9時より早く店を閉めた。富田町のお好み焼き店「菜の花」の先山功店長(65)は午後6時前に店を開けたものの、来店客は2人だけ。午後8時半にはのれんを下ろし、「こんなんだったら休業すればよかった」とうなだれた。

 近くの路上で缶ビールを飲んでいた徳島市の自営業男性(30)は「午後8時で酒類の提供を終えるのは早すぎる。こんな状況が20日間も続くのは厳しい」と不満顔。居酒屋で午後6時から友人と飲み始めたが、午後8時で酒類のオーダーストップがかかり店を出た。午後10時くらいまで飲酒できる店を探すという。

 午後9時を過ぎると、ほとんどの店の看板から明かりが消え、通りはさらに寂しくなった。

 一部では営業を続ける店もあり、秋田町のあるスナックは平常通り午後9時にオープンした。男性オーナーは「早く開けてもお客さんは来ないし、協力金は何の足しにもならない。営業していた方がいい」。時短要請の期限である5月5日まで通常営業を続けるという。

 県社交飲食生活衛生同業組合は午後9時から繁華街を約30分間巡回。看板や店内の様子を見て、時短要請に協力しているかどうか確認した。柳本真吾専務理事(44)は「大半の店は協力していた。休業中の店も予約が入れば営業することもあるので、期間中は見て回りたい」と話した。