南村杞憂さんが自身の写真を組み合わせて作ったデジタルコラージュ作品(南村さん提供)

 北島町出身でアーティストとして大阪府を中心に活動する南村杞憂(なむらきゆう)さん(25)=本名・木村友南(ゆうな)、大学院生=のユーモアあふれる作品の数々が、会員制交流サイト(SNS)を中心に注目を集めている。アクリル板などでデジタル温度計をかたどったネックレス「4℃」は話題となり、複数のニュースサイトに掲載されたほか、短文投稿サイト・ツイッターでも24万以上の「いいね」が付いた。将来的には作品の販売収入で芸術大学に通い、美術に対する造詣をより深めたいと考えているという。

 

 南村さんは現在、神戸大大学院に通いながらアート作品を制作している。「4℃」のネックレスは、女性へのプレゼントとして話題のジュエリーブランドをモチーフに、「只今(ただいま)の気温 4℃」と書かれたデジタル温度計に仕上げた。このほか、写真を加工したデジタルアート作品やネオンサイン、アクリル板を使ったオブジェやアクセサリーなどの制作にも取り組んでいる。

 2017年からは年に1回ほど個展を開いており、今年は6月17日から28日まで大阪市の「cafe Anamune(アナムネ)」で開く予定だ。他にも神戸市のコミュニティーFM局「FM MOOV KOBE」で毎週水曜の番組「世界の音楽」でレギュラーパーソナリティーを務めるなど幅広く活動する。

 南村さんは幼い頃から読書や工作が好きだった。中学・高校の文芸部で、パソコンの画像編集ツールを使って絵や写真を組み合わせるデジタルコラージュ作品やオリジナル小説の執筆に取り組んだ。

 関西学院大に進学後は絵画部に入り、オブジェやアクセサリーといった作品の制作も始めた。デジタルデータを基に、レーザーカッターなどで素材を造形するデジタルファブリケーションの技術も独学で習得。アクリル板などの透明素材を含むさまざまな素材が使えることから、創作の一手法として用いることが多くなっていった。

 日々の活動が実を結び、昨年12月のクラウドファンディングでは作品や雑貨品と引き換えに26日間で約50万円を集めた。今年4月11日には講談社主催の新たな時代を代表する女性を発掘するオーディション「ミスiD2021」で、切れ味の鋭い視点で社会に問題提起をする人に贈られる「Edge!賞」を受賞した。

 制作の主なテーマは「身体性の喪失と回復」。日常の生活で感じたことを形にしたものが多い。南村さんは「もっと社会に影響を与えられるよう制作に取り組む」とした上で「今後もさまざまな表現に触れながら、真面目にふざけた作品を作り続けたい」と意気込みを語った。