ラトリエあべの阿部さん(左)と乾さん=美波町山河内

壺中庵の岩本さん=佐那河内村上

 「ミシュラン」と並ぶフランスの美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」に徳島県美波町山河内のフランス料理店「ラトリエあべ」と、佐那河内村上の日本料理店「虎屋 壺中(こちゅう)庵」が2年連続で掲載された。両店ともコック帽(トック)の数による5段階評価で昨年と同じ3トックの評価を受けた。

 「ラトリエあべ」のオーナーシェフ阿部節夫さん(66)は県立水産高校(現・徳島科学技術高)卒業後、大阪の洋食店に勤務。29歳でスイスに渡り、帰国後は徳島市のフランス料理店でシェフを務めた。約10年前に故郷で同店をオープン。5年前からは長年の料理人仲間、乾順一郎さん(52)=徳島市大原町=も厨房(ちゅうぼう)に加わった。

 旬の地元食材を積極的に使う。3月下旬~4月中旬は、日和佐沖で捕れるタカアシガニをブランデーに漬け、身の柔らかいグラチネ(グラタン)などを提供している。

 ガイドでは伊勢エビやアオリイカなどのコース料理のほか、築100年の古民家を改装した趣のある店構え、ぬくもりを感じさせる器にも触れている。阿部さんは「若いシェフの見本となれるよう、引き続き頑張りたい」と話した。

 「虎屋 壺中庵」は、岩本光治さん(68)=同村上=が料亭・京都吉兆嵐山本店での修業後、家業の仕出し料理店に併設する形で1985年に開いた。1日3組までの予約制で、昼と夜に懐石料理を出している。

 季節感を大事にしている。自ら天然のアマゴやアユ、ウナギなどの魚、山菜、キノコなどを求めて山や川に入り、高知にまで出掛ける。素材を生かす調理にこだわり、春のタケノコは甘みとみずみずしさを出すため塩と昆布で炊く。わん物に入れるしょうゆは香り付けだけでシンプルな構成のだしと塩で仕上げる。

 「食材を最大限生かす調理法を追求してきたのが認められたのかも。これからも努力を惜しまず、来た人に笑顔になってもらえる料理を追い求めたい」と語った。

 全国の403店が掲載された。県内では他に阿南市のフランス料理店「Loup(ルー)」が2トックを得た。