スタッフや来院者と非接触のドライブスルー方式で検査を行うたまき青空病院=徳島市国府町

 徳島県内で新型コロナウイルス感染が拡大する中、感染の有無を調べるためのPCR検査を自費で受ける動きが広がっている。「コロナ差別」を恐れて検査自体を敬遠する人が多かった以前に比べ、「周囲にうつしたくない」と考える人が増えたのが背景にあるようだ。費用が高額なため、公的補助を求める声も多い。 

 厚生労働省は自費検査が受けられる機関をホームページで公表しており、県内では16日時点で8カ所が掲載されている。料金は2万~3万円程度。医療機関の場合、陽性が確認されたり感染が疑われる症状があったりすれば医師の判断で健康保険が適用され、自己負担額は大幅に減る。

 たまき青空病院(徳島市国府町)と藍住たまき青空クリニック(藍住町住吉)ではドライブスルー方式を導入しており、スタッフや他の来院者と接触せず検査できる。唾液検査とオンライン、電話診療を組み合わせ、陰性だと確認された後も何らかの症状が出れば患者の希望に応じて診察するなど、検査後のケアも行っている。検査結果は翌日に電話で伝え、陽性と判明すれば保健所に報告する。

 クリニックでは昨年8月、病院では10月に自費検査を始めた。検査数は当初、1週間で数件だったが、クラスター発生時や帰省者が増える年末年始に増加。年度替わりの時期は当初の8倍以上になった。

 田蒔基行副理事長は「少し前なら発熱などの症状がある患者に検査を促しても、『村八分』になりたくないと辞退する人が多かった。今は周囲に感染させたくないと思う人が増えている。陽性が判明する事例も多い」と話す。

 自費で検査を受ける人の事情はさまざまだ。徳島市の30代女性会社員は仕事柄多くの人と接するため、子どもにうつしていないか不安があった。「小学生の子どもの新学期が始まる前に検査した。陰性で本当に安心した」と言う。

 市内のある会社は感染拡大防止や事業継続のため、今冬から定期的に全社員の検査を実施すると決めた。40代の男性役員は「検査費用は高額。公的補助があれば助かる」と訴える。

 県医師会感染症対策委員長の田山正伸医師は「郵送だと数千円程度で検査できる民間機関もあるが、医師による診断がない上、信頼性も不確かだ。医療機関による検査を増やすのは感染拡大防止に有効で、国などは検査料を下げる工夫をしてほしい」と求めている。