「亥の子菓子」を生かしたクッキーを試作するそらの郷の職員(右)ら=東みよし町中庄の菓子工房「みかもん」

 徳島県西部の観光振興に取り組む一般社団法人「そらの郷(さと)」(三好市)が、県西で親しまれてきた「亥(い)の子菓子」を生かしたクッキーの商品化に乗り出した。亥の子菓子の伝統を継承して世界農業遺産の急傾斜地農法が行われている地域の風習をPRし、新型コロナウイルス感染収束後の観光誘客につなげるのが狙い。

 「亥の子菓子」は小麦粉と水あめ、黒砂糖などを原料に、輪っか状にして半生の状態まで焼いた菓子。県西部では旧暦の10月に収穫を祝い、子どもが近所の家を回って菓子や餅をもらう風習「亥の子」があった。亥の子菓子はそこで配られていたが近年はほとんどみられなくなり、作り手も減っている。

 そらの郷は風習を生かして地域をPRしようと、亥の子菓子に着想を得たクッキーの商品化を企画した。野菜パウダー、はったい粉など、急傾斜地農法で育まれた材料の使用も検討する。

 3月24日に東みよし町中庄の菓子工房「みかもん」で試作会が開かれ、柔らかさや素材の異なる生地を用意して食感を比べた。試作を重ね、本年度中の発売を目指す。そらの郷の担当者は「亥の子菓子には地域で食べられていた文化がある。観光客に農業遺産を知ってもらう機会にしたい」としている。