衆院議員の任期満了まで21日で残り半年となった。今秋までに行われる総選挙に向け、徳島県内でも二つの小選挙区で与野党の動きが活発となりつつある。徳島1区は流動的な要素があり、対決の構図が今後の焦点となりそうだ。
【徳島1区】
知事と福山氏の動向注目
自民は、現職の後藤田正純氏(51)が8期目を狙う。新型コロナウイルスへの対応や「政治とカネ」の問題などで政府与党に対する風当たりが厳しさを増す中、「(政府や党にも)おかしいことはおかしいと言う」と強調。「国会の場で課せられた仕事をするのが大事」と話す。
選挙区からの出馬を模索している比例四国ブロック現職の福山守氏(68)は、コロナ禍で地元での活動が難しいため、ゴールデンウイーク後に選挙区か比例で立候補するかを最終判断する考えだ。
4月に入って波紋を広げたのが、県連幹事長を務める嘉見博之県議の発言だ。同僚県議の県政報告会で、「希望としては(飯泉嘉門知事に)1区で出てほしい」と述べた。「個人的な見解」としつつも、後藤田氏は強く反発。後藤田氏と県連幹部との対立は根深く、知事の動向が注目されている。
野党系では、旧民主の元職だった仁木博文氏(54)が無所属で挑む意向を示している。2月に立憲民主から公認の打診を受けたものの固辞し、現時点では無所属の方針は崩していない。ただ知事を含めた与党側の動きを注視しており、状況次第では公認の要請も視野に入れる。
共産は、市民団体「オール徳島」との連携による野党共闘で臨む方針。独自候補は立てず、仁木氏の支援を検討している。
【徳島2区】
自・立・共 三つどもえか
自民は、現職の山口俊一氏(71)が11期目に向けて準備を進める。野党から2人が立候補を予定しており、「厳しい選挙になる」と警戒する。中止した新春互礼会の代わりとなる講演会を5月に予定するなど、今後活動を活発化させる。
立憲民主は1月、平野博文代表代行が北島町議の中野真由美氏(50)に出馬を打診し、3月に擁立を発表した。2区での旧民主系の公認候補は2012年以来で、自民現職を破った09年の再来を目指す。
共産は、久保孝之氏(57)が比例四国の候補と連動して戦う。県委員会は「比例での集票を考えると1、2区とも候補を出さないわけにはいかない」とし、立民などとの野党共闘に向けた調整は見送る。