徳島県は22日、10~90代の男女34人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち50代男性2人と60代男性の計3人は鴨島第一中学校(吉野川市)の教職員。同校ではこれまでに教職員1人と生徒4人の感染が分かっており、県は8人規模のクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。クラスターは県内で22例目。このほか80代以上の感染者1人が21日に亡くなり、県内の死者は計29人となった。
鴨島一中では18~20日に30代男性教職員と女子生徒2人、男子生徒2人の感染が確認されている。8人は授業や室内での部活動で接触したという。学校は19日から臨時休校し、接触のあった生徒と職員にPCR検査を実施している。
県内の中学校でクラスター発生は初めて。臨時会見した飯泉嘉門知事は「従来感染しにくいと言われた児童生徒も、昨今は感染するということを県民に理解してもらう必要がある」とし、注意喚起のため学校名を公表したと説明した。
吉野川市教委も誤った情報の拡散防止などを理由に、公表を了承している。栗洲敬司教育長は「個人を特定したり、誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)など心ない言葉で傷つけたりすることがないようお願いしたい」と呼び掛けた。
他のクラスターの関係では、県立中央病院(徳島市)を退院していた60代男女の感染が分かった。クラスターの規模は計12人。南海病院(鳴門市)の70代男性患者の感染も新たに判明し、関連クラスターの規模は79人に上った。
直近1週間(15~21日検査分)の新規感染者は243人となり、17日連続で過去最多を更新。病床使用率は71・1%と、2日連続で7割を超えた。
市町村別の内訳は▽徳島市16人▽吉野川市5人▽小松島市3人▽板野町、藍住町各2人▽鳴門市、阿南市、阿波市、三好市、松茂町と兵庫県各1人―となっている。三好市で感染者が確認されたのは初めて。