ワクチン接種を受ける高齢者=徳島市

 4月12日、全国各地で65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。徳島県内では高齢者施設入所者への優先接種と並行し、すでに入所者以外の高齢者を対象にワクチン接種券の発送や接種の予約受付を開始している自治体もある。各自治体にはどれぐらいの量のワクチンが配分されているのか。接種券が手元に届いたらどうすればいいのか。

 ワクチンはいつ届く?

   配分されたファイザー製のワクチン=徳島市

 現在、日本に供給されているワクチンは米ファイザー製で、1箱195瓶(1瓶5、6回分)入りで配分される。徳島県によると、4月18日までに阿南、鳴門、吉野川、三好、神山、那賀、松茂、藍住、つるぎの9市町に1箱ずつ、徳島市と佐那河内村、勝浦町と上勝町、牟岐町と美波町には2自治体で1箱ずつ配布済み。25日までに徳島、佐那河内、小松島、阿波、美馬、石井、海陽、北島、板野、上板、東みよしに計10箱が到着し、26日の週には全市町村に1箱ずつ、5月3日の週には県内全域で25箱が支給される見込み。国は9日までに4000箱、10日~23日の間に1万6000箱を全国に配布する予定で、県ワクチン・入院調整課の担当者は「国との調整はこれからだが、5月以降全国の供給量が増えるので、希望通り配分してもらえるのではないか」と話す。

ワクチン接種、いつどうやって予約する?

 ㊧徳島市が配布予定の予診票やチラシ       ㊨見本の接種券

 国は医療従事者ら、高齢者、基礎疾患のある人などに分けてワクチン接種の優性順位を示しており、各自治体はワクチンの供給時期や優先順位などに応じて接種準備を進めている。 現在、接種券発送の準備を進めている徳島市に、届いた後の予約手順などを事前に確認した(※自治体によって発送時期や予約方法などは異なる)。
 徳島市は、接種券、予診票2枚、ファイザー社からのワクチン接種に関する説明書、コールセンターに関するチラシ、接種までの流れを記したチラシの計6枚を同封する予定。接種券には自治体名や氏名のほか、10桁の券番号が印字されており、予約時にこの券番号が必要となる。徳島市の場合は、同封のチラシに掲載されている予約専用ウェブサイトやLINEの市公式アカウント、コールセンターを通じて予約ができる(※現在は受付開始前)。接種場所は調整中で、市内での接種が原則だが、単身赴任などの場合は実際に居住している自治体で受けられることもあるので、市健康長寿課は「各市町村に相談してほしい」としている。

      予約方法を説明する田村課長

 接種当日は、接種券と運転免許証やパスポートなどの本人確認ができる身分証が必要になる。忘れると接種できないので、気を付けたい。予診票も当日持参し、会場で記入して提出する。
市には接種時期などに関する問い合わせも多く、田村茂生健康長寿課長は「時期はずれるが、ワクチンは必ず回ってくる。電話が殺到して予約できない場合もあると思うが、焦らずに待ってもらいたい。接種に不安がある人は国や県に相談してほしい」と呼び掛けている。
 

ワクチン接種時の注意点は?

 接種当日の体調管理や服装などの注意点について、県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の西岡安彦座長=徳島大学病院呼吸器・膠原病内科長=に聞いた。
基本的には従来の予防接種と同じで、「体調管理をしっかりして接種に望んでほしい」と話す。当日は肩を出しやすい服装が望ましい。針を刺す際の痛みは変わらないが、筋肉注射なので、接種後に筋肉痛が生じることがある。発熱や頭痛、疲労感などの副反応が出る場合もあり、発熱はおおむね1日で収まるという。重いアレルギー反応の「アナフィラキシーショック」は接種後15分~30分ほどで症状が出るため、接種後しばらくは体調が急変しないかどうか会場内で確認することになっている。副反応は翌日に症状が出ることが多く、2回目の接種時の方が強く出るという。

  県新型コロナ感染症対策専門家会議の西岡座長

 西岡座長自身は2度の接種を終え、筋肉痛になったものの翌々日には治り、発熱もなかったという。「筋肉痛で肩が上げにくくなったりするので、利き腕には打たない方がいい」と助言する。「ワクチンで副反応が出るのは普通のことだと思ってもらえれば。気分が悪い場合は無理をせず、医療機関などに相談してほしい」と話す。コロナワクチンの発症予防効果は95%とインフルエンザワクチンの倍で、2度接種した方が効果高い。抗体が作られて予防効果が最大になるまで、数週間は様子を見た方が良いという。「コロナは基礎疾患がある人が重症化しやすいので、基礎疾患がある人は接種した方がいいのではないか。リスクとベネフィットを考えて判断してほしい」と呼び掛けている。