「勇気ある女性賞」を受け、笑顔を見せる内藤市長=3月31日、徳島市役所

 3月31日、徳島市の内藤佐和子市長に在日米国大使館(東京)と駐大阪・神戸米国総領事館(大阪市)から「勇気ある女性賞」が贈られた。「女性市長としてリーダーシップを持って政治の世界で活躍し、多様性を尊重する日本の実現に貢献している」というのが受賞理由だ。

 大使館と領事館は、米国務省が表彰する2021年度の「国際勇気ある女性賞」に市長を日本代表として推薦した。最終選考に残らなかったものの、これまでの活動をたたえ、独自に賞を贈ることにした。

 市長は受賞後、報道陣に対し、男女格差の大きさを測る「ジェンダー・ギャップ指数」の政治分野で、日本が世界147位だったことに触れ「徳島から日本を変えていきたい」と強調した。

 1年前、県内初の女性首長として市政をスタート。当時は36歳になったばかりで、全国最年少の政治経験のない女性市長としても注目を集めた。さまざまな事業の見直しを行う一方、女性の活躍を促す取り組みに力を入れた。

 市政運営の指針「市まちづくり総合ビジョン」について話し合う市民会議は、委員21人のうち10人を女性にした(16年度は41人中15人)。今年に入り、女性活躍推進などの条項を盛り込んだ連携協定を3企業と結んだ。

 庁内では女性職員を積極的に登用。就任後間もなく行った人事異動では初の女性部長を誕生させた。市行財政改革推進プランでは、女性管理職(課長補佐以上)の割合を13・7%(今月1日時点)から23・0%(25年4月1日時点)に引き上げる目標を掲げる。不妊治療休暇の新設など、制度面の充実も図る。

 就任当初は「身内」からの反発にさらされた。

 「お手並み拝見やな」「姫市長」「有力市議の言いなりになるのでは」...。職員や反市長派の市議の間からこんな声が聞かれた。ある市議は「(職員が)言うことを聞いてくれない」と市長がこぼすのを耳にしたことがあるという。

 大津市長を12年から2期8年務めた越直美氏は、自身の経験を振り返る。「当時、私がやろうとしたことへの反発は大きかった。客観的に見ると『女性』『若い』というのが影響していたと思う」

 越氏は内藤市長が就任するまで女性市長の全国最年少当選記録(36歳6カ月)を持っていた。「女性がトップダウンで物事を進めると『男性以上に話を聞かない』というふうに言われる」と指摘。男性は強いリーダーシップを取り、女性は意見を聞くものだという偏見があるとし、「あまり縛られないようにしたほうがいい。政策的なことには市民の批判があって当然。内藤市長には市民との約束を自分のやり方で進めてほしい」とエールを送る。

 就任から1年がたち、内藤市長の政治手法や政策を巡る市民の反発が顕在化してきた。

 市民団体「徳島の女性議員を増やす会」の諏訪公子代表(78)=徳島市北佐古二番町=は「女性が政治の場に出るのは賛成だ」としつつも、「市長には『女性』『若い』というイメージが先行し、肝心の市政運営には疑問を感じる。少数派の意見にも耳を傾けるのが首長本来の姿。性別や年齢以前の問題だ」と語った。