徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 骨の成長にはカルシウムとビタミンDが必要です。カルシウムの吸収に必要なビタミンDが不足すると低カルシウムから、くる病が発生します。今月はビタミンD不足によって発生する成長障害や骨の変形を来す、くる病について考えてみました。

 蛋白質で出来た骨基質にカルシウムやリンなどのミネラルが沈着することを石灰化と云います。石灰化することによって骨は硬い組織となり、重力に抗して姿勢を維持し、筋肉による運動を可能にします。

 しかし石灰化した骨の中にあるカルシウムは静止状態にあるのではなく、常に骨形成と骨吸収(骨破壊)が行われていて一定のバランスが取られています。小児期には骨形成が骨吸収を上回るので骨量が増えて、20歳代に骨量が最も多くなると言われます。

 子どもの成長は長管骨が伸びることによって起こります。長管骨が伸びるには骨の石灰化が必要であり、そのためにはビタミンDが必要です。カルシウムを摂取してもビタミンDが不足していると骨にカルシウムを吸収沈着することが出来ません。

 カルシウムは生体内では骨・軟骨の石灰化だけではなく、神経の興奮、筋肉の収縮、血液の凝固、細胞内のシグナルなどに働きます。このために血清カルシウム値は厳密に制御されています。カルシウムの摂取が不足すると骨からカルシウムが溶け出して血清カルシウムが低下しないように働きます。長期に渡ってカルシウムが不足すると歯や骨のカルシウムが減少して、くる病、骨の変形や成長障害が起こります。