徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(95)が19日、京都市の寂庵で法話の会を開いた。人間の幸福について持論を述べ「やりたいことができる『自由』が何よりの幸せ。どうせ生きるのならば自分のしたいことをしてほしい」と訴えた。
 
 12月8日の太平洋戦争開戦記念日が近づいていることから、開戦当時の思い出や中国・北京で終戦を迎えたことなど戦時中のエピソードを紹介。「戦時中は権力者が決めた道徳によって行動が制限されていた。権力者の都合で変わる道徳にとらわれず、自由に生きてね」と呼び掛けた。
 
 約160人が来場。今月、瀬戸内さんの秘書がエッセーを出版したことを引き合いに出しながら「人には何かしら才能があり、才能の花を咲かせるのが人生。遅咲きの人もいるから、50歳、60歳でも諦めてはだめよ」とほほ笑んだ。