「帰省を諦めた」「1人で田植えをする」-。新型コロナウイルスの感染第4波のさなかに迎える大型連休をどう過ごすか。徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」が公式LINE(ライン)登録者に尋ねたところ、多くの人が外出や遠出を自粛し、「ステイホーム」する様子が浮かび上がった。コロナ禍の中で過ごす2度目のゴールデンウイーク(GW)。医療従事者らにとって連休は関係なく、対策が後手に回る行政への不信も広がる。

昨年のGW中、営業を休止して静まりかえる祖谷のかずら橋=2020年5月2日、三好市西祖谷山村今久保

 GWの過ごし方などについて、4月26~28日に登録者に聞いたところ、106人が回答した。

 徳島県内では4月以降、感染者が急増。4月28日時点で病床使用率は6割を超え、医療崩壊が現実味を帯びる。そうした状況下、医療従事者にとって連休は無関係で、鳴門市の看護師(34)は「コロナ禍でなければ大阪に行って友達と遊びたい。大阪じゃなくても、県内の友達とご飯に行きたい。そんなささやかな願いすら、医療従事者はかないません」と悲痛な声を寄せた。

 介護に携わる人らも暦通りには休めない。訪問介護に従事する阿南市の女性(63)もそう。「1人暮らしの高齢者は訪問を待ちわびています。検温、手洗い、マスク、ソーシャルディスタンス。毎日細心の注意を払い頑張っています」

「実家に帰りたかった」

 会いたい人に会えない。行きたい所に行けない。多くの人はもどかしい思いを抱えながら、巣ごもり生活を送るようだ。

 鳴門市の女子学生(19)は兵庫県への帰省を諦めた。「コロナ下でなければ実家に帰りたかった。友人とカラオケや飲食、ディズニーランドやユニバーサルスタジオなどにも行きたかった」。美馬市の事務職の女性(25)は予定を入れず、自宅で過ごす。「親戚一同が集まってワイワイできないのが寂しいです」

 墓参りもままならない。「愛媛県へ母親の墓参りに行きたかった」「夫の実家がある静岡への墓参りを諦めた」との嘆きが届いた。

 県内は田植えシーズン真っ最中。「いつもなら県外の兄妹一家が戻って来てにぎわいますが、昨年に引き続き、たった1人で田植えです」とつぶやきを寄せた人もいる。

 この機会に片付けや掃除をする人も多い。徳島市の男性(74)は「毛布洗濯、冬物収納」、同市の自営業の女性(48)も「ビデオ鑑賞と大掃除」と答えた。

 阿南市の60代の女性からはこんな声が。「いつ感染して入院…そして重篤になるか分からないので、身の回りの断捨離、整理整頓などの終活を始めたい。物を減らしたいと思っていたので、良いきっかけができたとポジティブに考えている」

GWは田植えシーズン。「親戚が帰省せず、一人で田植えをする」という声も寄せられた=2020年5月、阿波市吉野町柿原 (写真は本文と直接関係ありません)

ソロキャンプ、渓流釣り、山菜採り

 街中の「密」を避けて、自然の中に居場所を求める人もいる。小松島市の自営業の男性(54)は「田舎で山菜採り」、美馬市の男性会社員(40)は「山でソロキャンプ」、徳島市の日本語教師の男性(68)は「弁当持参で一人で渓流釣り」を予定している。

考えることはみな同じ。昨年のGW、亀浦観光港には大勢の釣り人が詰めかけた=2020年5月3日、鳴門市鳴門町土佐泊浦

 感染対策と経済活動のバランスをどう取るかは悩ましい。徳島県から5月5日まで営業時間短縮を要請されている飲食業界からはこんな声が届いた。

 「時短営業ですが、連休中は仕事します。コロナの感染者が増えて、予約のキャンセルが増えてきて暇な連休になりそうです」(64歳、女性)

 英国では1回目のワクチン接種を終えた人の割合が40%を超えるなど、世界各国で接種が進む中、日本ではようやく始まったばかり。人の移動を促す「GoToトラベル」事業など、矛盾しているかのような施策が行政への信頼を揺るがしている。

 「県外への家族旅行を計画していましたが、コロナ拡大により中止しました。政府の無策に憤りを感じます」と、北島町の30代の男性会社員。

駐車場に空きが目立つ上板サービスエリア=2020年5月2日夕、上板町神宅

「浮かれて踊っている場合でない」

 徳島県内でも飯泉嘉門知事や県議による大人数会食が問題視されたほか、夏の阿波踊り開催に前向きな内藤佐和子徳島市長の姿勢に疑問を呈する人も。「県は県民を守るという姿勢が弱いのが不満」(徳島市、74歳、男性)、「阿波踊りは中止すべきだ。浮かれて踊っている場合でない。医療のことを考えてほしい」(徳島市、60歳、男性)との厳しい意見が寄せられた。

 政策の善しあしは脇に置き、感染拡大を止めるには一人一人がソーシャルディスタンスを取るなど、平時と行動を変えること。「脳梗塞と心臓疾患を患っているので、もう1年以上自粛生活を続けています。ちょっと外出したら、帰宅後すぐに手洗いとうがいにシャワーまでして、衣類は洗濯しています。GWももちろん自粛です」(藍住町、40代の男性)

 こうした重症化リスクが高い人と共に、私たちは暮らしている。想像力を働かせながら、大型連休を過ごしたい。