徳島新聞社は28日、第57回徳島新聞賞の最終選考会を開き、昨季のサッカーJ2リーグでJ1昇格と初優勝を果たした徳島ヴォルティスを大賞に選んだ。奨励賞は子ども食堂を運営するNPO法人クレエール(徳島市)、特別賞はNPO法人とくしまコウノトリ基金(北島町)に贈る。新型コロナウイルスの影響で閉塞感が漂う社会に勇気や希望を与えた点などが評価された。贈呈式は6月1日午後1時半から徳島市のJRホテルクレメント徳島で行う。
徳島新聞賞は、地域活性化に取り組み、徳島を広く発信するなど未来を育む活動や業績を顕彰し、徳島の発展を後押しすることを目指している。
大賞の徳島ヴォルティスは、2019年にクラブ設立15周年を迎え、20年シーズンは四国勢としてJ2を初制覇。14年以来7季ぶりのJ1復帰を果たし、徳島のサッカー文化向上というミッションを果たすため着実に歩みを進める。コロナ下で多くの県民に明るい話題を提供している。
奨励賞に選ばれたクレエールは、18年に子どもに無料で食事を提供する常設の「子ども食堂」を県内で初めて開設。20年は生活に余裕のない子育て世帯に無償で食べ物を届ける「こども宅食」に取り組み、減収などの影響が出た家庭を支えた。
特別賞のとくしまコウノトリ基金は19年に発足。鳴門市大麻町に居着くコウノトリの安定した繁殖地の実現や野生復帰を後押しするため、足環(あしわ)装着の準備や餌場のビオトープの設置などに力を入れている。