ハレルヤで販売している「たぬきのケーキ」

 昭和の味として懐かしむ人も多いであろう、タヌキの姿をかたどった「たぬきケーキ」の人気が会員制交流サイト(SNS)でひそかに再燃している。販売店をまとめたサイトが作られたり、NHK・Eテレの教養娯楽番組「グレーテルのかまど」で取り上げられたりと盛り上がりを見せている。徳島県内でたぬきケーキを製造・販売している店舗でも買い求める客が増えているという。

 たぬきケーキは、スポンジ生地の上に、バタークリームを載せてチョコレートでコーティングし、アーモンドやチョコペンなどでタヌキの顔を表現。店によってタヌキの表情や味にこだわりがあり、昭和40年代ごろに全国で盛んに作られたという。SNSでは「生存確認」「捕獲」といったコメントと共に多くの写真が投稿されている。

 菓子製造販売のハレルヤ(松茂町)では昭和40年代から「たぬきのケーキ」(税込み290円)を販売。現在はほかにも、コーヒー風味のバタークリームを使った「おじいちゃんたぬきのケーキ」(210円)や、イチゴ味のチョコレートでコーティングした「姫たぬきのケーキ」(210円)など家族をモチーフにした5種類を取り扱っている。

左上から時計回りに「白無垢たぬき」「子たぬきのケーキ」「おばあちゃんたぬきのケーキ」「おじいちゃんたぬきのケーキ」「姫たぬきのケーキ」「たぬきのケーキ」

 NHKの番組が放送された2月以降に売り上げが伸び始め、2、3月の売り上げは例年の倍になった。県外から買いに来る客やオンライン販売を求める問い合わせも少なくない。ハレルヤスイーツキッチン松茂本店で行っているたぬきケーキ作り体験は放送直後に予約が殺到し、1カ月待ちになったという。

 担当者は「ブームはありがたい。新型コロナウイルスの影響でストレスがたまることも多いと思うが、家族でたぬきケーキを味わって和やかな時間を過ごしてほしい」と話した。

シャープな顔が特徴の森行朝日堂の「たぬき」

 菓子店の森行朝日堂(阿南市富岡町今福寺)では、60年ほど前からケーキの「たぬき」(346円)を提供。2、3年前から熱心なたぬきケーキファンが訪れるようになった。花木泰彦店長(51)は「たぬきケーキを求めて全国を回るほどのファンもいてびっくりした。この先も変わらぬ味で作り続けていく」と語った。