新型コロナウイルス感染対策のため、距離を取りながら演舞する踊り手=2020年11月22日、徳島市の藍場浜公園

3月30日付6面「社説」

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(1)「印象操作に近い」との表現

■市が「事実と異なる、不適切」と主張する部分

事業体への補塡を拒んだ自身の判断も、前市長に責任があるかのような言いぶりで、印象操作に近い。

■市の主張

 1月28日及び3月23日の市長記者会見において、民間事業者に委託した経緯等を踏まえて単に事実を述べただけで、それを印象操作と非難することは明らかに事実誤認である。

■徳島新聞社の見解

(基本認識)

 阿波踊り事業の赤字補塡について、内藤市長は「前市政のつくった枠組みでは(市は)補塡できない状況に追い込まれている」と主張している。しかし、それはあくまで「平時」にのみ適用されるルールであり、コロナ禍のような不可抗力の「有事」の際にはこの主張は通らないと弊社は認識している。
 なぜなら、阿波おどり実行委員会とキョードー東京など民間3社共同事業体が2019年4月に結んだ5年間の基本契約には、不可抗力で損害が発生した場合の費用負担については双方が協議して決める旨の条項(第41条=不可抗力の発生に起因して乙に損害・損失や増加費用が発生した場合、乙は、その内容や程度の詳細を記載した書面をもって甲に通知するものとする。② 甲は、前項の通知を受け取った場合、損害状況を確認したうえで乙と協議を行い、不可抗力の判定や費用負担等を決定するものとする。)がわざわざ設けられている。内藤氏の言うように「いつ、いかなる場合も、補塡はできない」といった趣旨の主張とは明らかに矛盾する条項であり、内藤市長の主張がその通りであるならば、そもそもこの条項が存在している理由が説明できない。
 基本契約をみる限り、不可抗力によって生じた損害までをも事業体に負わせるようにはなっておらず、もちろんどの条項にもそのようなことは明文化されていない。「平時のルール」を「有事」に持ち込んでいる内藤市長の主張こそ、明らかに事実誤認であり、契約内容にも反していると言わざるを得ない。

(1)の指摘について

 そうした自身の事実誤認を顧みず、「事業体に補塡できない理由は前市長がつくったスキームにある」といったような虚偽の説明を繰り返してきたことは、印象操作以外の何物でもなく、社説での記述には何ら問題ないと考える。

 

(2)費用負担について

■市が「事実と異なる、不適切」と主張する部分

天変地異や感染症の大流行といった不可抗力で発生した損害は、実行委と事業体が協議して費用負担を決める。(基本契約第41条)。つまり実行委員長である市長が市議会で予算の承認を得れば、一般的な民間事業者へのコロナ支援と同様、事業体への補償は今でも可能なのだ。(中略)この間、市長は市議会を説得する試みを粘り強く続けたのか。自身の不作為には触れず、前市長の作った枠組みに責任転嫁するのはおかしくないか。非常時の資金拠出は今でもできるのに、実行委の見直しを言い出すのは別の意図があるのかと勘ぐってしまう。

■市の主張

 1月28日及び3月23日の市長記者会見において、「一切の赤字も補塡しないという約束をしてできたのが今の実行委員会であり、事業体との基本契約です。これだけ議会などでも主張していたのに、そういった措置をすることはかなり難しいというのが私(市長)の見解です。もし、そこで何らかの措置をするのであれば、議会での説明とは異なるものになってしまいます」と述べており、記事掲載前に既に市議会での説明が困難である理由を説明している。それにも関わらず、コロナ支援と同列に扱い、いとも簡単に資金を拠出できるかのような錯覚を市民に抱かせるとともに、あたかも、市の職務怠慢や市長が策略を巡らしているかのような印象を与えるものであり事実と異なる。

■徳島新聞社の見解

 内藤市長は記者会見の場で、補塡できない理由を縷々説明したとしているが、この説明は「いかなる場合も補塡できない」といった事実誤認に基づくものであり、抗議文で指摘している諸々の事柄の前提が崩れている。正しい認識のもとに市長が議会に丁寧に説明すれば、補塡のための資金を市が拠出できた可能性も十分あったと考えられ、内藤市長の不作為は否定できない。従って、社説のこの部分の記述についても問題はないと考えている。