内藤佐和子市長

 徳島市の内藤佐和子市長は、阿波踊りを巡る一連の徳島新聞の報道に対し、事実と異なったり不適切な内容が含まれたりしているとして同社に抗議し、記事の訂正と撤回、謝罪文の掲載を求めた。市の公式ホームページ(HP)にも反論文を掲載。「報道に対する市の見解・対応」と題したコーナーを設け、今後も必要に応じて報道機関の記事内容や表現、主張をチェックするとしている。これに対して徳島新聞社は「記事はいずれも適切な取材による事実の報道、あるいは事実に基づく妥当な論評の範囲にある」と市長に回答した。

 徳島新聞社は、阿波おどり実行委員会(委員長・内藤市長)の3月末の解散や、民間3社共同事業体との踊り運営業務に関する委託契約を解除した問題について、「市長の説明が不十分」などとする社説や記事を掲載した。

 これに対して市長は「(一連の記事に)事実と異なるか不適切な内容が多く含まれ、看過できない」とする抗議文を4月26日付で送付。30日までに記事の訂正などがなければ「法的手段も検討せざるを得なくなる場合がある」とした。

 市長が「事実と異なる・不適切」としているのは▽市の説明不足を指摘した「論説委員の目」(3月9日付)▽阿波おどり実行委の体制を見直す必要性はないことを説いた社説(30日付)▽実行委について論じた「論説委員の目」(4月11日付)▽民間3社共同事業体の総責任者の会見内容を報じた記事(13日付)▽踊り運営を巡る市側の対応をただした社説(14日付)―の5本。

 11日付の「論説委員の目」について市長は、「『事業体外し』へと突き進む、市の独断専行ぶりが浮かび上がってきた」との記載が不適切だと指摘。「実行委に関することであり、市が事業体外しを行っているような悪印象を与える。事業体外し自体が事実無根」とした。これに対して徳島新聞社は「客観的に見て『事業体外し』と捉えるのが当然」などとしている。

 同社は30日付で「抗議については受け入れることができない」とする回答書を市長宛てに送付した。

 

内藤市長の抗議文

 阿波おどり実行委員会の解散等に関連し、令和3年3月9日付徳島新聞2面の「論説委員の目」、令和3年3月30日付徳島新聞6面の「社説」、令和3年4月11日付徳島新聞2面の「論説委員の目」、及び令和3年4月13日付徳島新聞27面の記事等につきましては、事実と異なるか、もしくは不適切な内容が多く含まれており、徳島市といたしましては、非常に遺憾であり、これを看過することができませんので強く抗議いたします。

 つきましては、貴社に対し、令和3年4月30日(金)までに当該記事の訂正及び撤回並びに謝罪文の掲載を強く求めます。

 なお、上記期日までに当該記事の訂正等がなされない場合には、大変遺憾ではございますが、法的手段も検討せざるを得なくなる場合がございますことを念のため申し添えます。

 (原文にあった記者の名前は外しています)

 

徳島新聞社の回答書

 弊社の記事は、いずれも、適切な取材による事実の報道であり、あるいは、事実に基づく妥当な論評の範囲にあるものであって、貴殿の御主張や御認識と異なる部分があるとしても、記事の内容が事実と異なるとか、不適切な内容が多く含まれているとして、弊社において、記事の訂正、撤回を行い、貴殿に謝罪をしなければならないものではないと考えております。

 このため、貴殿の抗議については、弊社はこれを受け入れることができません。

⇒ 徳島市の主張と徳島新聞社の見解の全文