徳島県内の若者による手作りのイベント「バーリトゥード2008」(同実行委主催)が7日、徳島市内の小松海岸で開かれた。徳島発ガールズバンド「チャットモンチー」ら9バンドのライブや、徳喜連・忍連による阿波踊り、プロサーファーのデモンストレーション・・・。多彩な企画に、県内外から1万2500人(主催者発表)が訪れ、去り行く夏の1日を楽しんだ。今年で7回目を迎えたバーリトゥード。一大イベントへと成長し、若者の間に、確実に定着している。

 「おかえりー!」。ライブの最後、夕暮れ間近の特設ステージに「チャットモンチー」が登場した。歓声に迎えられ、はにかんだような笑顔を見せる。3人にとっては、アマチュア時代から出演してきた思い入れのあるイベントだ。その3人の名前を呼ぶ声が、あちこちから盛んに起こり重なる。ステージを見つめる観客を見渡し、ほっとした表情を浮かべた3人は、デビュー曲「ハナノユメ」から最新の「風吹けば恋」まで、10曲を披露した。

 バーリトゥードは、メジャーアーティストとアマチュアバンドが同じ舞台に立つ、数少ない機会だ。太陽が照りつけて暑くなってきた午前9時半、オープニングを飾ったのは、徳島大学生バンドの「MAN-MOTH(マンモス)」と、県内の社会人バンド「PISTOL(ピストル)」。3度目の出演となった県内バンドの「THE春夏秋冬」に、大阪のガールズバンド「ねぐりぢぇ」、例年出演している「ハワイアン6」、「ガーリックボーイズ」など県外から参加したアーティストが続く。

 ステージと客席は手の届く距離。ステージ上で走り回って、大勢の観客の前に立つ喜びを体いっぱいに表し、観客の中に飛び込みそうな勢いのバンドも。それぞれが聴かせ、見せ・・・。チャットモンチーに続くバンドは確かに育っている。バーリトゥードが県内の音楽シーンに果たしてきた役割の大きさを感じた。

 全国各地でライブをこなしながらも徳島を拠点に活動する人気コミックバンド「四星球(スーシンチュウ)」は、法被姿でステージと砂浜を駆け回り、オリコンインディーズチャート7位を獲得した「潮騒ぎ」などを披露した。アーティストと観客が一体となった会場にいて、彼らの徳島に対するこだわりを、地元ファンの声援が後押ししていることを実感した。

 徳島出身のダニー(ギター&ボーカル)が率い、テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌で人気上昇中の「ザ50回転ズ」も、個性的なパフォーマンスで観客を魅了した後は、ファンとの触れ合いを楽しみ、サインや写真撮影に応じていた。

 ライブのほか、印象的だったのは、海岸の美化や環境保全のための募金に多くが応えていたこと。バーリトゥードは環境保護も大きなテーマで、会場の小松海岸で今年ウミガメが産卵したことがアナウンスされると、歓声が起こった。

 「地元の自然を守り、徳島を盛り上げたい」と、企画・運営を手掛ける20-30代の若者たちと、それに応えて、営利を目的とせず集まるアーティストら。共通するのは「徳島の若者に目標を持ってほしい」との思いだ。会場を去る観客の口から「気持ちよかったね。また来たいね」との声がこぼれる。その心には、たくさんの夢が刻まれたのではないだろうか。


【インタビュー】

■チャットモンチー

 橋本絵莉子 4回目の出演で初めて、余裕を持って歌うことができました。ステージから海が見えるんだ(笑)。プレッシャーもなく、お客さんの顔もちゃんと見えて、楽しくできました。徳島を離れても、3人はあまり変わっていません。徳島のみんなが応援してくれていると思えるから。みんなも自分のやりたいことに向かって頑張って!

 高橋久美子 幅広い年代の人が来ているのが、ステージから見えました。営利目的じゃなく、手作りのイベントを徳島でやることの意義を、いろいろなフェスに出るようになって感じます。今年も出演できてよかった。帰ってくると落ち着きますね。地元の人に愛されているのは幸せなこと。これからも応援よろしくお願いいたします。

 福岡晃子 デビューした年の出演は、プレッシャーや緊張で楽しむ余裕がありませんでした。今年はお客さんがたくさんいて盛り上がってくれたので、楽しんでできました。11月には新シングルとDVDが発売されます。シングルは、私たちの方向性が表われた自信作。DVDは、冬のツアーと春の武道館ライブの2枚組です。私たちの心に刻まれたものをぜひ見てください。
 
 (2008年9月14日朝刊掲載)