県小学生ティーボール選手権に出場し、プレーを楽しむ子どもたち=2月11日、鳴門球技場

 ホームベース後ろの打撃用の専用固定台に置いた軟らかいボールをバットで打つ「ティーボール」が、徳島県内で広がっている。野球と似ているが安全で小さな子どもでも親しみやすく、減少する野球人口の歯止めにつなげる「入り口」として、一部自治体や少年野球チームが普及に努めている。投げる、捕るといった動きを幼児期から身に付けられるため、体力向上も図れるとし、徳島ティーボール協議会は講座の開催や指導者養成にさらに力を入れる。

 少年野球の藍住西ファイターズは、協議会が小学4年生以下を対象に2月に開いた第2回県小学生ティーボール選手権に2チームで臨んだ。部員14人に加え、未入部の8人に参加を呼び掛けて出場。兄が部員のため誘われたという尾形和君(6)は「硬いボールじゃないので怖くなかった。楽しかったからもう少し大きくなったら野球をしたい」と笑顔だった。

 藍住西は2019年度の第1回大会から出ており、有岡貴彦監督は「少子化などで県内の野球人口は減っている。簡単にできるティーボールをきっかけに、野球に興味を持ってもらえれば」と話す。2大会に出た未経験者のうち、合わせて3人が入部した。

 東みよし町の三庄クラブは2年前から、小学4年生までの部員には野球だけでなく、ティーボールの練習も取り入れている。峯本和樹監督は「投げる、打つというプレー本来の楽しさを知ることで野球を続けてもらいやすくなる」と強調する。

 「野球のまち」を掲げる阿南市は18年度から、野球人口の増加に向けてティーボール教室を開催。19年度までは多目的施設などに人を集めて催したが、20年度からは希望する保育所や小学校に出向く出前教室も新たに始め、5カ所で実施した。日本ティーボール協会(東京)の公認資格を持つ講師を協議会から派遣してもらい、計245人が参加した。

 市は自ら講師を調達できるよう、市内の公認資格取得者を増やしたい考え。協議会は18、19年度に一度ずつ、ルールや指導法、審判の仕方を教える資格講習を開き、受講した野球経験者や指導者ら111人が資格を取得した。20年度は新型コロナウイルスの影響で中止となったものの、21年度は十分に感染対策を講じて開く。

 一方、協議会が企画したティーボールイベントが、県の子ども体力向上事業に初めて採用された。補助金17万円を使い徳島、吉野川、美馬、阿南の4市で10月から来年2月にかけ、就学前の子ども向けに行う。協議会長を務める徳島文理大の天羽博昭准教授は「ティーボールは幼児期に必要な体の動きを多く取り入れており、子どもの体力アップにつながる」と話している。

 ティーボール 投手はおらず、バッティングティー(台)の上に載せた止まったボールを軟らかいバットで打つ。一塁、二塁、三塁、本塁があるのは野球やソフトボールと同じ。出塁しても盗塁は認められない。