夢に見た賞金女王の座に、23歳の若さでたどりついた。韓国選手が席巻するツアーで、日本勢としては2013年の森田理香子以来。「いずれはと思っていたが、こんなに早いとは」と歓喜に浸った。
 
 155センチ、55キロ。パットを最大の武器とする。子供の頃は最も苦手で、当時のコーチに「ゴルフには『パットイズマネー』という格言がある。プロになりたいならパット練習をたくさんしなさい」と諭された。今でもラウンド後に必ずパターを持ち、日が暮れるまで球を転がすことも珍しくない。
 
 両親と姉、妹と弟の6人家族。04年に宮里藍が優勝した試合をテレビ観戦して興味を持ち、1歳下の妹と一緒に小学5年で競技を始めた。意識しなくてもプレー内容を詳細に記憶できるという特技が上達に役立ったと自己分析する。
 
 ゴルフ部1期生にと誘われ鳥取・倉吉北高に進み、東みよし町から一家で移った。父・健司さんは3代続いた家業をたたみ、ゴルフ場の芝生管理などで稼いで支えてくれた。しかしそこでは苦労の連続。「雪で4カ月プレーできないなんて知らずに行った。雪かきが練習だった」。途中からは父の指導を受けながら、母・美江さんが運転する車で全国の試合に赴いた。
 
 「早くプロになって家族に恩返ししたい」という一心で、練習の虫となった。プロテストは卒業後すぐの13年に合格。翌年には初優勝を果たし、4年で賞金女王に。「ここまで真っすぐ来られてうれしい」と誇らしそうに言った。徳島県東みよし町出身。