新型コロナウイルス感染拡大を受け、徳島県がまん延防止等重点措置の適用を国に要請した4日、対象となった徳島市で営業時間の短縮などを求められる飲食店や大規模集客施設の店舗は理解を示す一方、長引く自粛や県の遅い対応を批判する声も上がった。対象外の地域の住民らは徳島市のみにとどめた点を問題視した。

 徳島市では飲食店に対し、時短要請を現行の午後9時から同8時(酒類提供は同7時)までに1時間繰り上げ、カラオケの自粛を呼び掛ける。

 徳島市秋田町の居酒屋では、時短を始めた4月16日から閉店時間を3時間早めて午後9時までとしたところ客が激減。来店者がゼロの日もあり、予約制に切り替えた。30代男性店長は「時短がさらに1時間拡大するなら休業を検討せざるを得ない。もっと早く判断していればここまで長引かなかったのではないか」と憤った。

 同市南末広町4のボウリング施設「スエヒロボウル」は感染予防の徹底に加え、自主的に閉店時間を1時間早めていた。男性担当者は「今は一丸となって感染を封じ込める時。県の要請には従う」とした上で「県には対象の施設全てが公平に応じるよう対応を徹底し、飲食店以外にも補償制度を検討してほしい」と注文した。

 同市の大型施設に入る衣料品店は、ゴールデンウイークの来店客がコロナ禍前より激減した。20代女性店員は「混雑を避けて閉店間際に来るお客さんもいるので少なからず影響はある。自粛に協力すべきだと思うが複雑な心境」と話した。

 対象から外れた地域では徳島市以外の適用要請を求める声も相次ぐ。感染拡大後、テークアウトのみの営業に切り替えた鳴門市撫養町小桑島のすし店取締役森本直美さん(40)は「鳴門はクラスター(感染者集団)が発生しているのに、適用要請が徳島市だけとは驚いた。徳島市や兵庫県から人が流れてくるのではないか」と心配する。藍住町勝瑞の勝瑞城館跡を訪れた会社員男性(39)は「中途半端にするより県を挙げて適用を求める方が感染の抑制につながる」と述べた。

 コロナ患者の入院を受け入れる県内病院では感染者増加に伴い人手が足りなくなっており、呼吸器科が専門でない医師も軽症患者の治療に動員されているほか、一般患者の入院を一部制限するなどの影響が出ている。30代男性医師は「県内で多くの英国型変異株感染者が確認された3月には県境をまたぐ移動に制限をかけるべきだった。県の対応は遅過ぎる」と批判した。