栄枯盛衰いろいろに、定めなき世も知恵あれば、どうにかなるとはいうものの、知恵もくせもの、流れにさおさす知恵あれば、身を滅ぼしかねない知恵もある

 学校法人「森友学園」の補助金詐取事件で起訴された籠池泰典被告と妻諄子(じゅんこ)被告が、昨年7月31日の逮捕以来、約10カ月ぶりに保釈された。記者会見では疲れも見せず、持ち前の節回しで「国策勾留と認識している

 教育勅語を柱にした独自の教育が関心を呼び、首相夫人とも懇意になった。「同志」と信じていても、一つ歯車が狂えば、潮が引くように去っていく。これも名のある人たちの世渡りの知恵。無常、無情。やりきれない思いや怒りもあるだろう

 会見では憲法9条まで持ち出しての政権批判。「為政者は本当のことを言うべきだ」。返す刀で夫人にも。「うそ」がまかり通るのを憂う。それはもっともだとしても忘れてはいけない。あなたはこの問題の被害者ではなく、当事者である。知恵の使い方に間違いはなかったか

 与党は幕引きを図るが、廃棄したはずの文書に続き、鍵を握る人物の再登場で、もう一幕、二幕の追加は必至だ。新たに法廷劇も始まる

 つち音の消えた小学校建設現場は大阪府豊中市、公園の隣、住宅街の中にある。空港へ降りる旅客機が頭上を行く。嵐が来るか、そそと吹く風に雑草が揺れた。