海陽町内で見つかったズナガコヌカグモ。これまでは福岡・熊本両県でしか確認されていなかった(坂東代表提供)

クモ11種類を県内初確認した坂東代表=阿波市内の自宅

 徳島県海陽町を対象とした「阿波学会」の調査で、ズナガコヌカグモなどクモ11種類が県内で初めて確認された。新種の可能性があるクモも11種類あり、東京大大学院生物多様性科学研究室などの専門機関で判定を進めている。

 徳島博物同好会の坂東治男代表(72)=阿波市市場町上喜来=らによる阿波学会のクモ類・貝類班が2019~20年度、町内39カ所でクモを採取。顕微鏡で特徴を把握して図鑑と見比べたり、専門家に標本の鑑定を依頼したりして193種を記録した。

 県内初確認の11種類のうち、ズナガコヌカグモ、カンサイアリマネグモ、カントウヒゲヌカグモの3種類は、四国でも初確認となった。前方に突き出た幅広の頭部が特徴のズナガコヌカグモ(体長1・6ミリ前後)は福岡、熊本両県でしか確認されておらず、坂東代表は「大変珍しい」と評価する。

 図鑑に掲載されていないなど種別がはっきりとしない11種については専門家に鑑定を依頼し、新種の可能性があると分かった。今後数年かけて調査し、確定する見通し。

 阿波学会の県内調査が2巡目に入った13年以降、阿南、鳴門、三好各市で調査が行われ、県内初確認のクモが10種前後見つかってきた。

 坂東代表は「今まで見られなかった種が多く見つかり、町の環境の良さを示している。嫌われがちなクモだが興味深い点も多い。関心を寄せてもらうきっかけにしてくれたら」と話している。

 調査内容をまとめた論文は「阿波学会紀要」第63号に掲載されており、県内の図書館などで閲覧できる。