今夏の阿波踊りで新たな演舞場が設けられることになった徳島市秋田町の市道=秋田町2

 徳島市が中心となって開催する今夏の阿波踊り(8月12~15日)で、新たな演舞場が同市秋田町にお目見えする。客足の減少に悩む歓楽街のにぎわいづくりを図ろうと、地元飲食店経営者らでつくる運営組織が設営する。1日約20連が踊り込む予定で、観光客らに無料で観覧してもらう。

 踊り期間中、県道交差点(同市秋田町1)の南側約360メートルの市道を歩行者天国とし、演舞場はその中央付近約90メートルの区間に設ける。各連は4日間とも午後6時から同11時ごろまで演舞場の南から進入し、道路中央を北に向かって踊り抜ける。桟敷席はなく、演舞場と観覧者の間をフェンスなどで仕切り、道路両端から乱舞を楽しんでもらう。

 演舞場は「アミューズメントバーFly」(仲之町1)を経営する徳長真二さん(47)=西新浜町1=が発案。昨年、地元自治会や飲食店関係者ら約20人で運営組織を立ち上げ、計画を進めてきた。警備員の配置などに約400万円の経費がかかるが、全て協賛金で賄う。

 当初は昨夏の阿波踊りで設ける予定で、7月下旬にはスポンサーや参加連がほぼ決まっていたが、当時の主催者の市観光協会(破産手続き中)から突然、中止するよう通告された。

 徳長さんは「昨年は開催直前に中止となり多くの人に迷惑を掛けた。演舞場があれば歓楽街に多くの人が足を運んでくれるはず。将来は阿波踊り以外の時期でも歩行者天国ができれば」と話す。

 演舞場の開設は、30日に開かれる阿波おどり実行委員会での承認を経て正式決定する。