徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 毎年冬になるとインフルエンザの流行が話題になります。インフルエンザは高熱を主症状とするウィルス感染症であり小児が罹ると肺炎やまれに脳症などの合併症を起こすことがあります。今月は冬の代表的な疾患であるインフルエンザについて考えてみました。

 インフルエンザの症状は急激な高熱で始まり、鼻水や鼻づまり、咳や痰など上気道炎症状が見られるとともに全身倦怠感や頭痛、関節痛、筋肉痛、下痢や食欲不振などの全身症状が現れます。一般の感冒に比べて全身症状が強いことが特徴です。

 現在流行のインフルエンザにはA型とB型があり、毎年型を変えて、または混合して流行をします。従来、A型インフルエンザにはソ連型と香港型があり、これにB型が流行していました。2009年に出現して世界中で大流行した(パンデミック)A型ウィルス(これをH1pdm09と略します。)が出現後ソ連型は消滅して、H1pdm09が季節性インフルエンザとして流行するようになりました。

 インフルエンザウィルスは毎年少しずつ遺伝子型を変化します。数年間は小さな変化の繰り返しに過ぎませんが、ある時急激に大きな変異が出現します。ほとんどの人に免疫がありませんから世界中で大流行を起こします。これがパンデミックです。

 最近も世界中でパンデミックになる可能性のあるウィルスが小流行を繰り返しています。H1pdm09の場合には老人の中には免疫を持つ者があり、流行の中心は小児でした。今後もトリインフルエンザによるパンデミックが懸念されており、十分な注意が必要です。