徳島市の主催で8月に開催する阿波踊りについて話し合う「阿波おどりネットワーク会議」の第2回会合が10日、徳島市役所であった。4月末に開いた第1回会合は市が各委員個別に書面を示して説明する形式を取ったため、今回が対面での初会合となった。委員17人中代理を含めて15人が出席。市が提示した事業案に多くの委員が前向きな意見を述べた一方で、運営を委託していたキョードー東京など民間3社共同事業体との契約を3月末に一方的に解除したことや、公金投入の是非についての実質的議論はなかった。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、全国では中止を決める祭りも相次いでいるが、現時点での中止を求める意見も出なかった。一部の委員からは「実際に開催するとなると、いろいろなリスクがある。市民の意見も聞きながら判断してほしい」と釘をさす声が出たほか、欠席した感染症対策が専門の委員は「対策について責任を持てる意見を言うには精査する必要がある。次回、意見を申し上げる」とのメッセージを寄せた。各委員の発言要旨は次の通り。

第2回阿波おどりネットワーク会議

出席委員と欠席委員のリスト (クリックするとPDFが開きます)

2021阿波おどり事業計画(案)

会議次第など

 

内藤佐和子市長

 本日、委員の皆さんにおかれましてはご多用にもかかわらずご臨席を賜り、ありがとうございます。阿波おどりネットワーク会議については、「2021阿波おどり」の開催に向けて各方面から幅広い意見を伺い、事業計画や運営などに反映させるため、また次世代に阿波踊りを受け継ぐために設置をした。本来なら第1回でも、委員の皆さまにお集まりいただき意見を頂戴するところだったが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況から書面開催となったことをお詫び申し上げる。現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で非常に厳しい状況が続くが、昨年の実証実験を踏まえ、感染拡大の状況を慎重に見極めながら、「2021阿波おどり」の開催に向けて皆さま方と議論を進めていきたい。本会議の意見を踏まえ、観客、踊り手、スタッフの安心安全を最優先し、関係団体と協力連携し、ぞめきのある夏の復活に向けて準備を進めたい。協力をよろしくお願いします。委員の皆さまからは忌憚(きたん)のない意見を寄せていただきたい。

 第1回会議で示した計画案について委員の皆さまから意見をいただきたい。まずは、阿波踊り団体の方から。池田委員お願いします。

 

池田順子氏(県阿波踊り協会副会長)

 資料の一番最後のページ(p17)の開催判断は4回(タイミングが)あるが、これは何度も判断されるということか。

 

事務局

 事務局からお答えする。チケット販売前に1回目の判断があり、8月上旬に予定している桟敷設置の前にもある。その間にもコロナの感染状況を踏まえ、時期は特定しないがその都度、判断していくかたちになるかと考えている。

 

池田氏

 資料3ページ。(平常時の)モデルAと判断した後、状況が悪くなれば、BやCになると考えていいか。反対に、例えば6月に中止という判断をし、その後(感染状況が)改善されると、それをまたBやAにすることもあるのか。

 

事務局

 6月下旬にモデルAとした後、その後状況が変わればBやCになる場合もある。しかし、7月のチケット販売前に悪い状態であれば、その後改善してもBやCに戻ることは現実的には難しいと考えている。

 

内藤市長

 ありがとうございました。池田委員、よろしいですか。次に山田理事長。

 

山田実氏(阿波おどり振興協会理事長/朝日榮作会長の代理出席)

 阿波踊りに携わってきた団体として、内藤徳島市長におかれましては、郷土が誇る阿波踊り、郷土芸能・文化の最高峰と言ってもおかしくない徳島の阿波踊りの火を消さないため、このコロナの感染が日増しにひどくなる中、規模を縮小してでも、2年続けてぞめきの火を消してはならないのではないかという考え方を打ち出していただいた。踊り手団体としては、踊りたいという気持ちがある。この会議に参加させていただいたことに、お礼申し上げる。ありがとうございました。

 大枠的には2021年の事業計画案、会長から提示していただき、連長とも話をした。3月の踊り団体の意見を聞きたいという市の意向を受けて話をした際、「今の情勢の中で場合によっては規模を縮小してでもできないか」と申し上げた。そうした中、1カ月ぐらいで「ニューノーマルモデル」のたたき台をつくられた皆さんに敬意を表したい。

 大枠では振興協会として、全面的にできる限りのご協力をさせていただきたい。ただし、池田連長も言われた通り、コロナで先の見えない情勢が続く。複数回は情勢を見極めながら、そのときどきにあった必要な施策をやりながら、考えていくことが必要。

 そういった中、予算組みの部分を見せていただいた。市が責任をもって、阿波踊りが経済発展に寄与していくだろうと考えながら、郷土芸能とも捉えて取り組んでおられることは本当に素晴らしい。

 自分たちはこの間、阿波踊りに携わってきた経験者として意見を発していきたい。具体的な数字、さらに選抜阿波おどり、前夜祭、桟敷については、昨年を踏まえて作成しているのであろうと思うが、例えば桟敷を縮小して藍場浜の演舞場だけで開催した場合、1日で踊れる連は大体30から35ぐらいだろう。県協会(徳島支部)と振興協会の連を合わせて34連ある。それだけで、いっぱいいっぱいじゃないか。そういう見方もされる。しかし、阿波踊りは郷土芸能。徳島全体が盛り上げてきた文化。事前に、(市のアンケートに対し)参加申し込みの意思表示をした連は約100連。まだまだ新型ウイルスがまん延している中で、数については減る可能性もあるが、早い段階で、申し込みの正式な意思決定をしていただき、具体的な作業を進めていかなければ時間的にゆとりもない。

 桟敷がひとつになる可能性もある。企業連、一般連も含め、数多くの連に披露の場を提供していく。振興協会の連には「1日1回必ず出られるとは思わないでください」と周知した。当然だとのことだった。新聞で事業体や旧の実行委員会のことが触れられ、マイナスイメージしかないと推測されるが、徳島がワンチームとなり、皆さん方が中心となり盛り上げていかないといけない。そのためには桟敷で踊れない連の受け入れをどうするのかという問題を考える必要がある。そこでおどり広場が活用できる。

 例えばお盆期間中の日中、アスティではいつも2連ぐらいが公演している。ここで夜に一般の連を募って夜の無料公演をすることもできる。選抜阿波おどりについては、通常は午前と午後の2回だが、例えば夜の公演を選抜についても考えてみる。

 阿波踊りは夏祭りという面もある。露店を設置するかどうかも考える必要もある。コロナの情勢にもよるが。例えば、正月の大麻比古神社では露店主の皆さんは対策をしながら営業していた。例えば南内町の公園なんかは道路封鎖の必要がなく、非常にやりやすい。こういった活用をみなさんで考えていただきたい。例えば一方通行にして、スタッフを置く。消毒をして、ソーシャルディスタンスもとったお祭り広場を設ける、など。大きなスクリーンで桟敷広場で踊っているのをリモートで見られるようにする。規模は縮小するが、グレードの高いことができる。船の遊覧もそう。いろいろなことができる。

 やめることはいつでもできる。だが、急に実施することは不可能。情勢を見ながら、県とも密に連携も取ってほしい。阿波踊りの起源はミステリアスで解明されていない。しかし、蜂須賀家政以降阿波踊りが発展を遂げたのは事実。藩主といえば知事。こういう立場なので、内藤市長が言うように「県市協調」で、阿波踊りについても県にタイアップもお願いしながら、ワンチームになってやっていく方法を模索する必要がある。この国難、困難、コロナの時代を打ち勝って、徳島市の阿波踊りの発展のために皆さんと一緒に歩んで参りたいと決意を新たに表明させていただいて、振興協会の意見としたい。

 

内藤市長

 ありがとうございました。ここにおられる方はワンチームで実現させたいという気持ちは同じだと思う。七條委員、いかがでしょうか。

 

七條愛氏(県阿波おどり保存協会理事長)

 モデルAついて。エリアが広いということで、桟敷内などは安全だろうが、移動中はどうか。踊りたいと思っている人が安心安全に踊れる環境が整えばいいと思っている。

 

内藤市長

 移動については、(昨年秋)のネクストモデルの検証のときにも課題となった。また話をさせていただきたい。ほかのご意見は。

 どなたでも結構ですので。

(鈴江氏が挙手)

 では、鈴江社長お願いします。

 

鈴江祥宏氏(徳島都市開発株式会社社長)

 ご承知の通り、そごう徳島店が撤退した。9月下旬の三越オープンに向けて準備をしている。青少年センターも設計段階。来年秋のグランドオープンを目指している。なんとか、市街地を阿波踊りで盛り上げていただきたい。事務局案は縮小案だが、感染状況も踏まえてシュミレーションしていただいている。やり方は正解でなかろうか。山田さんからもあったが、みんなで協力する必要がある。みなさんが知恵を出し合って考えていくことが大事ではないか。

 アミコビルにはデッキもあり、藍場浜公園も近い。いろいろ協力していきたい。賑わいは非常に大事だ。できる限りの協力をしていきたい。

 

内藤市長

 ご協力いただけるとのことで、そういった言葉は心強く感じる。

 

中村英雄氏(NPO法人新町川を守る会理事長)

 こういう時期の阿波踊りなので、「最低限のことをやる」ということでいいのではないか。演舞場は去年実証実験をしたところ。あとは歩行者天国のようにする。露店は辞めないと無理だろうと思う。私たちも吉野川フェスティバルを主催しているが、飲み食いが多いため中止しようと思っている。露店ができると、歩きながら飲む、食べることになる。露店は自粛していただく。阿波踊りも最低限のことをやるぐらいの気持ちでいないと無理なのではないか。

 高松にしても、(イベントは)中止というのがほとんど。それでも徳島の阿波踊りはオリンピックのようなものだから、どうしてもやらなあかん、と。なんにしても阿波踊りはやる。「やるんはやる、でも最低限で」。それをお願いしたいなと思う。

 

内藤市長

 ありがとうございました。森浦委員。

 

森浦源泰氏(県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長)

 17ページについて。宿泊業界から言えば、もう少し早めに手を打っていただきたい。また、阿波踊りでコロナ感染者がたくさん出たということになると大変なことになる。対策だけは十分取っていただきたい。中止はいつでもできる。ワクチンが広がるとは思うが、そこらを見ながら、早め早めの対応をお願いしたい。

 

内藤市長

 宿泊業界との兼ね合いはある。お話させていただければと思う。ほかに何か。

 

木内崇氏(徳島商工会議所青年部会長)

 8ページのマップについて。歩行者天国になる部分が出てくると思う。勝手に踊るのが阿波踊り。そういうのを規制するのか。「踊らないでください」とアナウンスするのか。放っておくのか。中村さんは「歩行者天国に」とおっしゃったが、人が勝手に集まってしまう。

 

内藤市長

 現時点で事務局で歩行者天国について考えていることは。

 

事務局

 赤い点線の中。それ以外では現時点では考えていない。

 

内藤市長

 「踊らないでください」といった指示については何かあるか。

 

事務局

 エリア内で踊る方については規制ができるかどうかについて今後、検討する。お願いのようなかたちになるかと思うが何か発信できれば。

 

鈴田善美氏(徳島市経済部長)

 専門家らの意見を伺い、考えていきたい。貴重なご意見をありがとうございました。

 

山田氏

 基本的には「最小限でやる」ということに、まったく異議はない。露店についてはディスタンスが取れたりすれば、そういうこともあるかと。歩行者天国については、演舞場を藍場浜ひとつにしたということは、「交通規制をしない」ということではないか。歩行者天国はないんじゃないか。これは今から考えるのか。昨年の(藍場浜演舞場での)実証実験で、ここならできるだろう、となったが、ほかの感染対策はまず不可能だろうと思う。踊り手の方も街中では踊れないが、感染対策が取れるような場所なら、と。そう認識していたが、事務局の方では違うということか。

 

事務局

 道路規制は最小限にと考えている。雑踏対策は難しい。今後十分に検討していかなければと思う。歩行者天国で誰でも踊るというのは現段階では想定していない。

 

山田氏

 では、歩行者天国にはしない。ということか。

 

事務局

 そういうことになる。

 

山田氏

 自由なエリアをつくると感染対策、雑踏が危ぶまれる。ディスタンスが取れない。よって、今年の阿波踊りについては、昨年の実証を踏まえ、有料桟敷を一つにしたと思っていた。そこの根本的なことが変わってきたのであれば無料演舞場をやめたことも意味ないのでは。

 

内藤市長

 「歩行者天国」という言葉が一人歩きしている。勘違いさせてしまった。8ページの赤の点線部分は交通規制区域を想定している。この部分については関係団体と調整予定。新町橋東公園などで開催する場合、規制エリアを設けないといけないのではと警察と調整をしている。そうした意味で、歩行者天国という言葉を使ってしまった。誤解を生んでしまって申し訳ない。

 

山田氏

 了解です。

 

矢田博嗣氏(県観光協会理事長)

 今の話題もそうだが、今後も状況が著しく変わることが想定される。もう少し、こういう場合にはこういう規制をするなど、いろんなことを想定して、事前に決めておくことが、お客さん、県民市民にとっても必要なことだと思う。いろんな方の意見を吸い上げていただき、いい指針をつくってほしい。

 お客さん目線では、チケットを購入するお客さんに、払い戻し方法など事前に示して購入いただくことも必要だ。チケットの購入エリアを制限する状況になることも想定される。お客様に迷惑を掛けないという視点で、いろんなことを想定し、示すことをお願いできればと思っている。

 観光事業者の代表という立場から言うと、非常に苦しんでいる。もしできるのであれば、県民も含めて泊まる方は、ホテルが取れたら必ずチケットが手に入るような仕組みなども考えていただければ。郷土芸能という点もあるが、エンターテインメントという点でも来て良かったと思えるものにしてほしい。こういうご時世。来て良かったと思える踊りを期待したい。踊り手さんの練習場提供など、できることはさせていただきたい。

 

内藤市長

 練習場所も含めてご協力いただける。非常にありがたい。

 

池田氏

 練習場所についてお願いがある。小中学校の体育館を使う連がたくさんあるが、アラートが出て使用できない。優先的に使わせてくれるといったことはあるのか。

 もうひとつ言うと、アスティとくしまで前夜祭やリハーサルをする。県の施設が使えなくなると、そこも使えないということになる。どうしても練習会場は必要になってくる。お願いできたらと思う。

 

山田氏

 踊り子の立場として、協会の各連も体育館を使えていない。しかし、「阿波踊りだけ特別に」というのは(難しいのでは)。していただけたらありがたいが、目的は感染阻止だ。優先的に阿波踊りだけするというのは不可能だと思っている。ただし、練習は不可欠だ。

 6月以降、外での練習を各連始めるかと。その際、「今のご時世に」という声も出てくるかと思う。市からもメッセージを出し、郷土芸能としての阿波踊りの趣旨をご理解いただくPR活動もやっていただければ。アスティも練習も何もかもできん、というような状況になれば、阿波踊り(本番)ができる状況にならないのではないか。

 

事務局

 ご意見を踏まえ、教育委員会とできる部分できない部分を協議したい。

 

内藤市長

 ほかにご意見を話されていない委員さん。何かございますか。

 

犬伏敏也氏(市文化振興公社事務局長)

 シビックセンターを運営している。役割としてはP4のモデルAで開催する場合だが、ゴーサインが出れば全面的に協力する。ネットワーク会議で今後も意見も出てくるかと思うが、協力していきたい。

 

内藤市長 

 ありがとうございます。佐藤委員。

 

佐藤勉氏(県文化振興財団理事長)

 阿波踊りが観光資源であることは疑いない。一方では文化資源。どうにかして再興し、文化振興という観点から協力をして、阿波踊りの再興に向けて進めていかなければと思っている。ニューノーマルの大きなポイントは、徹底した感染対策。あわぎんホールでの経験を生かしていきたい。A案にしろ、B案にしろ、練習にもきていただくことになるが、空いている部屋を有効に活用してできるだけ密にならないようにしたい。

 

内藤市長

 ありがとうございました。文化振興の観点から、市も県もできれば。どうぞよろしくお願いします。

 

小松新一氏(徳島経済研究所事務局長)

 全体的には前向きな方が多いという印象を受けた。しかし、実際やるとなるといろんなリスクが出てくる。市が主催するとなると、いろんな業者との連携が重要になる。リスクを考えながら、早めに対策をすることが大切。いろんな市民のみなさんの意見を考慮しながら、最終の開催判断をしていただきたい。

 

内藤市長

 ありがとうございます。先手を打ってと、その通りだと思う。みんなでやっていければと思う。

 

中谷吉範氏(つなぐ阿呆とくしま代表)

 わたしどもは新設の任意団体として立ち上げた。これまで感染対策を試み、無料での阿波踊りイベントを2回実施した。モデルAについての意見だが、交通規制のエリア、人数規制をした状態で開催する場合、会場内は人数を規制するので想定したかたちと費用で問題ないと思う。そうした場合、山田さんのいうとおり、想定するより人が来すぎる恐れがある。場外への対応が必要になる。費用は再考していただいた方がいいのかな、と。細かい話だが。

 

内藤市長

 そこも含めて検討させていただく。

 

利穂拓也氏(県観光政策課長)

モデルAについて、交通規制や雑踏警備なども含め、安全確保策を練っていただきたい。

 

内藤市長

事務局の方で検討をお願いします。欠席の委員からの意見を事務局から。

 

事務局 

(資料配付されている髙木博代氏(水際文化村フレンドリー協議会会長)の意見を読み上げた後)東桃代委員(徳島大病院感染制御部部長)からは「計画案を拝見し、対策については責任を持った意見を言うには時間をいただき精査する必要がある。感染対策については次回、申し上げたい」という意見が届いている。

 

内藤市長

貴重な意見を頂戴し、ありがとうございます。本日の意見を徳島市で検討し、できる限り反映させたい。